基礎演習「少子化への道」 01/01/09
作成者:池田 にいな
第15章 母集団とサンプルのあやしい関係
1 ルーズなのは
大人の性のモラルがルーズである。→社会ではセクハラ・慰安婦が問題とされる一方、援助交際
が、行われている。都内の4%女子高校生が援助交際の経験あり。(朝日新聞97年1月25日付)
2 援助交際4%とは
援助交際に関する調査の方法
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男子校以外の都内の中学・高校から無造作に110校を選出、調査票を1クラス分送付
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生徒は回答を記入し、調査票を自分で郵送
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調査は96年7〜9月に実施、有効回収数は1,291、回収率23.5%
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質問内容は家庭環境、学校生活、いじめ、飲酒、対人関係、テレクラ、援助交際など多岐に渡る
4%という数値は、図42(テキストP135)で最も高い値を拾っている。
理由:男子校を除いた調査のため、男子と女子の人数の差が2倍近くあり、足し合わせた全体の割合にはあまり意味がないので、信頼がおける数値は男女別の結果であり、特に人数の多い女子である。女子高校生は無回答が少なく、回答数が530と多いため女子高校生の数値である4%を用いた。
3 サンプルから母集団の値を推定する。
多くの調査はサンプルをとって行う。(サンプルは調査者が調べたい全体の縮図になっていることが望ましい。)全体の状況がわからないのになぜサンプルが全体を代表しているといえるのか?
→偏りなく対象を選び出せば全体のミニチュアとなり、そうすれば全体(母集団)を調べなくても全体の様子が見えてくる。
★偏りのないサンプルならば、母集団の真の値の範囲を推定できる。
★サンプルが大きくなれば誤差は小さくなり、比率が50%に近いほど誤差は大きくなる。
4 サンプルと母集団の関係を揺るがす多くの条件
サンプルに偏りがあるかどうかが重要 全体がわからないのにどうやって偏りを判断するのか?
@
同様の調査の結果との類似性を見る。
A
回収率によってチェックする。(高い回収率ほど信頼がおける)
★低回収率の場合にはどんなにサンプル数が多くても偏りがあると考えた方がよい
結果の危うさを告げる条件
@
調査の無記名性
A
面接ではなく自分で記入し、郵送するという方式
B
質問の多さによる疲労効果←回収率が低い原因でもある。
5 買う大人の人口学的条件
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一般的な売買春同様、援助交際の統計の場合も買う大人の方が問題とされなければならない。
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大人の方の買う数と率の問題
→子供側のみの一方的な観察だけではなく、買う大人の方にも焦点をあてることによって全体の真実が見えてくる。
基礎演習「少子化への道」P141〜147 2001/01/23
作成者:中村真弥
第16章 年齢と世代のあやしい関係
1 むずかしい年齢
一般的に、女性に年齢を聞くことは失礼なこととされている。 ⇒「年齢」とは日常でも扱いが困難であるが、統計上でも困難である。
2 年齢は切り捨てである
日常使用する年齢は、月の単位は切り捨てて考えられている。これは「平均初婚年齢」や「平均出生年齢」等の「年齢」の平均をとる場合に施される考え方である。
3 出生年という世代
人口統計の調査で世代表記をする場合、「年齢」表記と「世代」表記がある。前者は「ライフサイクル」の考えに基づいているが、日本のような社会経済的変化の激しいとこ ろでは、世代(ライフコース)的志向方である後者の考えのほうがいいのかもしれない。
4 年齢効果と世代効果の関係
○「ローマの休日」やユーミンの「卒業写真」は、いつの時代も多くの世代から支持されている。(古典となる)
○ 中島みゆきの曲は、ある特定の世代の支持を受け続けている。(世代効果)
○ ピンクレディーは、一時代に年齢を問わずに支持されたが、後の時代には振り返られることが少なくなった。(時代効果)
○ 童謡や演歌はある特定の年齢層には受け継がれていくが、特定の世代の歌にはならない。(年齢効果)
しかし「合計特殊出生率」のような統計は、このようにすっきり分けることができない。
5 大胆な仮定に基づく「合計特殊出生率」
〜年齢別出生率〜年齢別の千人あたりの女子が、1年間で何人の子供を生んだか。
表24 例:1995年に15−19歳の者の場合(分母はその年の10月1日の女子人口)
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年齢別出生率の定義 1975年1月2日生まれ〜1980年12月30日生まれの母が1年間に生んだ子の数×1,000 1975年10月2日生まれ〜1981年9月30日生まれの日本人女子の人口 ※ ちょうど5歳の間隔にはならず、約6年の幅がある。 ※ 分子のすべてが必ずしも分母に含まれない。 |
〜合計特殊出生率〜女子の年齢別出生率の合計で1人の女子がその年次の年齢別出生率で一生の間に生む平均こども数を表す(正確には15歳の女子が49歳までに生むと考えられる子どもの数。)
表24 例:1950年現在で女子が大体出生を終える49歳までに何人の子どもを生むか。
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合計特殊出生率 5,9×5+112,0×5+181,5×5+112,8×5+49,7×5+12,7×5+0,8×5 1000 |
しかし、1950年で15−19歳の「世代」が実際に経験した出生率の合計とは大きくかけ離れている。合計特殊出生率はあくまでも現在の年齢別出生率の水準を示す仮定的合成値であり、必ずしもそのとおりになるとは限らないのである。
01/01/23/ 1100501251堀口みずえ
第17章世論統計とパラダイムのあやしい関係
1女(男)らしさを望む日本
日本人は、こどもに「男女等しい」しつけを行うよりも「女(男)らしさ」が実現するようにしつけるらしい。(東京都生活文化局、1995)しかし一般的に、「女(男)らしさ」を求める程度は弱くなっている。(表26)
特に女性の間で、「男女同じようにしつける」という意見が強くなっている。
★
男性は、「男らしさ」で既得利益を享受できるが、女性は「女らしさ」でかえって損を被るという認識があるため。
ここでどんなことが「女(男)らしさ」であるのかというと必ずしも明確ではない。
さまざまな属性(洋服の色や、行動、性格の特徴)に関して多くの人が共通の「女(男)らしさ」のイメージをもっている。
ほとんどの質問結果において「らしく」しつける意見が減少し、「同じように」しつける意見が増加しているが、果たしてこのように実際に世論は動いているのだろうか?
2質問や回答の仕方を変えれば
同じ意図であっても設問の仕方によっては結果の判断がつきにくい。
●「女の子、男の子を区別しないで、同じように育てたほうがよい」…4人に3人ほど賛成
「男の子は男の子らしく、女の子は女らしくしつけたほうがよい。」…80%程度が賛成
★多くの人は、「女の子、男の子を区別しないで、同じように育てたほうがよい」と考える一方「男の子は男らしく、女の子は女らしくしつけたほうがよい」とも考えている。
●
上の2つの質問を合併し、「同じようにしつけたほうがよいが、らしく成長してほしい」とすると34%になる。
★「らしさ」と「等しく」は両方求められている。
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別の選択肢「男の子も、女の子も個性を生かし、その子どもにあったしつけ方をした方がよい」にはもっとも多い45.3%の賛成を得た。
■以上の結果から最近は女(男)らしさを身につけて子どもを育てるのではなく、自分らしさを作る中で女(男)らしさを取り入れるというような考え方になっている。
基礎演習「少子化への道」01/01/09 作成者:久米和恵
第15,16,17章の書記
◎15章、援助交際をどう思うか?また、なぜ増えたと思うか?
・本人の自由。ブランド品が流行しているが、高いので買えないし普通のバイトでは、無理だから、体を売る。
・買う側が、お金を払えば、簡単に女の人と付き合えると思っている人が多くなっているから、買う側が悪い。売る人もすぐお金が入ると思ってしまう。
・利己主義にはしっている。
・お金で何でも買えるからお金を手に入れるために、体を売りビジネス化している。
◎
17章、男は黒、女は赤のランドセルと決まっているのはなぜか?
・昔は、家庭科や体育は男女分かれていたりして、男らしさや女らしさが強かった。「らしさ」を服装やかばんの色からかえていこうとするため。
・幼稚園や、中学校、高校は、かばんの色は同じだったのに小学校だけ色が赤、黒と決まっているのはおかしい。
◎
17章、女性は「女らしさ」でかえって損を被るという損は何か?
・女性らしい=おしとやかというイメージの為女らしい人は、会社では意見させてもらえないのでは?!
・社会に出て行く上で、男のほうがうえにいる人が多いし、仕事ができたりすると女のくせになどといわれる。また、お茶くみも、男より女の仕事になってしまう。
・就職活動
◎
16章、なぜ男には年齢を聞けるのに、女には年齢を聞いたらいけないのか?
◎
「らしく」しつける意見が減少し、「おなじように」しつけるが増加しているが、実際に世論は動いているのか?
・表28のようにその対極の「男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしくしつけたほうがよい」に80%程度の人が賛成しているのでまだ「らしく」しつけている。
・子供に与えるおもちゃなどで知らず知らず「らしく」しつけてしまっている。
・「男らしさ」「女らしさ」のよろいをお互い交換することができれば、「らしく」育てていてもいいのでは?!