2000年8月31日(木) 17:32

ハイダーはあらためてEUの東方拡大の阻止をもって威嚇

テメリン原発が稼働した場合はチェコの加盟はない

ウィーン(AP)

 オーストリアの右翼大衆主義政治家イェルク・ハイダーはあらためてEUの東方拡大の阻止をもって威嚇した。連立与党自由党(FPO)の前党首ハイダーは木曜日クラーゲンフルトで新聞記者を前に、東方拡大に関しては「私が承認しない措置がとられることはない」と語った。テメリン原発が運転を開始した場合、彼に言わせればチェコのEU加盟は問題にならない、とケルンテン州首相をつとめるハイダーはAPA通信社に対して語った。異例の政治的一致を見せてオーストリアの緑の党出身の欧州議会議員メルツェーデス・エヒェラーもテメリン原発の件を「チェコの加盟努力に対するリトマス試験」と評した。

   EUの東方拡大に関しては数週間前から連立政府内において自由党(FPO)とシュッセル首相の国民党の間で対立がくすぶっている。自由党の幹部は、国民党の前の党首エアハルト・ブゼクが東方拡大に関する政府全権委員に任命されたことを厳しく批判し、独自の全権委員を任命することを検討していた。しかしこれに対してはハイダーが拒否した。ハイダーは、彼自身が拡大の専門家である、と述べ、「ブゼクの選出は第一に隣国および潜在的加盟候補国へのシグナルである。ブゼクの使命はこれらの国々において「オーストリアの留保に対する理解」を得ることである、と語った。

 エヒェラーは加盟候補国が原子力発電所に関するEUの安全基準を受け入れる責務があることを指摘した。「チェコ政府はただちに環境適合試験を...EUの基準に沿って行わねばならない」とこの緑の党の女性議員は求めた。「この手続きが終わらないうちは原子炉にスイッチを入れてはならない。テメリン原発の運転開始はチェコのEU加盟に向けた努力の信頼性を大きく揺るがすことになろう」と同議員は警告した。欧州議会のEVP議員団の代表であるキリスト教民主同盟所属のハンスゲルト・ペッテリンクはテメリン原発に関する公開討論を要求した。「威嚇は決して政治の良策とはならない」と彼は述べた。

原題:Haider droht erneut mit Blockade der EU-Osterweiterung
Kein Beitritt Tschechiens bei Inbetriebnahme von Temelin