2002年1月20日(日)16:54
ウィーン(AP)
チェコのミロシュ・ゼマン首相は第二次大戦後に同国を放逐されたズデーテンドイツ人を「国賊」と呼んだ。「今本当に裏切り者のために和解など要求できるのか?」とゼマン首相は、月曜日に発行されるオーストリアの雑誌『プロフィール』とのインタビューで発言した。インタビューの抜粋はオーストリアのAPA通信により週末に公表された。ゼマン首相はオーストリア自由党(FPOe)のイェルク・ハイダーを「大衆迎合的親ナチ政治家」と評した。
ゼマン首相はインタビューの中で、ズデーテンドイツ人が放逐された地域にドイツ語の地名表示板を設けてもらいたいというオーストリアのズデーテンドイツ人郷土会の要求を拒絶した。「オーストリアはヒトラー・ドイツの最初の犠牲者ではない。最初の同盟者なのだ」。「さらに、ズデーテンドイツ人が、中欧における民主主義の孤島であったチェコを破壊するためのヒトラーの「第五列」(訳注:秘密工作部隊)であったことを忘れてはならない」とAPA通信はインタビューの発言を引用している。チェコの法律によれば、多くのズデーテンドイツ人は国家反逆罪を犯したのだ、とゼマン首相は述べた。
ゼマン首相とケルンテン州知事(州首相)ハイダーとの間の非難合戦の引き鉄となったのは、論議を呼んでいるチェコのテメリン原発に反対する、右派自由党のイニシアチブによる国民請願であった。「情報に通じていない者だけが−私は阿呆という言葉は避けるが−この国民請願を支持しているのだ」とチェコ首相はインタビューで述べた。オーストリア国境から約50kmのところに位置するソ連型のテメリン原発は、数ヶ月前からチェコとオーストリア両政府の関係に影を落している。
原題:Zeman nennt Sudetendeutsche "Landesverraeter"
Tschechischer Regierungschef bezeichnet Haider wegen Anti-Temelin-Referendum als "populistischen Pro-Nazi-Politiker"