2002年1月26日(土)14:29
ミュンヒェン(ロイター)
チェコのテメリン原子力発電所をめぐるオーストリアの政権危機が去った後、今度はバイエルン州も原子炉の安全性向上を要求した。アメリカの技術を組み込んであるとはいえ、特定の配線系統にはなお問題が残っている、とバイエルン州のヴェルナー・シュナップアウフ環境相(キリスト教社会同盟=CSU)は『ヴェルト日曜版』紙に語った。「この点に関して我々はさらなる改善を要求する」と同紙は同環境相の発言を伝えている。環境省の広報官も土曜日の報道を公式に確認した。しかし環境相は、我々はオーストリアの国民請願とは異なり、追加装備をチェコのEU加盟の不可欠の前提条件と見なしていない、と強調した。
オーストリアではこの問題で国民党(OeVP)と右派大衆迎合主義の自由党(FPOe)の連立政権が崩壊の瀬戸際まで至った。自由党はこの国民請願を通して、テメリン原発が廃止されない場合はチェコ共和国のEU加盟を阻止するよう政府に約束させる意向であった。争いはようやく木曜日に調停された。
さらに同紙は「我々の主張を通すための道具はチェコとの加盟条約である」とのシュナップアウフ環境相の発言を伝えている。西側の安全基準が加盟条約に盛り込まれれば、この件で法的に訴えることも可能となる、と同環境相は述べた。オーストリアの国境近くに位置するテメリン原発に対しては、オーストリア同様バイエルンでも大規模な抵抗運動があった。同原発の原子炉はこれまでたびたび故障を起こして停止していた。
原題:Auch Bayern fordert weitere Sicherheitsnachruestung von Temelin