2001年3月11日(日) 19:29

シュッセル首相はハイダー発言から距離を置く

しかし首相はムツィカントに対する悪罵を反ユダヤ的と見なさず

ウィーン(AP)

オーストリアのヴォルフガンク・シュッセル首相は日曜日、右派のオーストリア自由党(FPOe)のイェルク・ハイダーの発言から距離を置く姿勢を示した。シュッセル首相はウィーンのイスラエル信徒協会のアーリエル・ムツィカント会長に対するハイダーの悪罵を不適切と批判した。しかし首相は「反ユダヤ的」との非難は行わなかった。

ケルンテン州知事ハイダーは自由党の「灰の水曜日」の会合で、アーリエルとかいう人間がこれほど「汚れたところのある」人間だとは思いもよらない、と発言した。これに関しシュッセル首相はオーストリア国営放送のテレビ番組で、「反ユダヤ主義や人種差別あるいはその類の考えをもてあそぶのはまったく感心しない」と述べた。ハイダーの悪罵が反ユダヤ主義的かと重ねて尋ねられた首相は、私はコメンテーターではないと答えをはぐらかした。

弁護士によればムツィカントはハイダーに対し法的措置を検討しているという。これを聞いたオーストリア自由党の議員団長ペーター・ヴェステンターラーは、ユーモアのセンスに欠けるとムツィカントを非難した。ハイダーは自由党とシュッセルの国民党(OeVP)との連立政権誕生後、自由党の党首の座を退いているものの、いまなお自由党の指導者と見られている。

原題:Schuessel distanziert sich von Haider-Aeusserung
Kanzler wertet Beschimpfung von Muzicant aber nicht als antisemitisch

TRM