エステルゴム(ロイター)
バイエルン州およびバーデン・ヴュルテンベルク州、ならびにハンガリー、オーストリアは、第二次大戦後にドイツ人とハンガリー人の放逐を定めたチェコのベネシュ布告の撤廃を求める要求を再度主張した。
将来の欧州には、差別に基づく過去の暗い影の占める場所はない、とバイエルン州のエルヴィン・フーバー官房長官は月曜日、ハンガリーのエステルゴムで述べた。オーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相は、ベネシュ布告は今日にいたるまで差別的な効力を保持していると述べた。両者はハンガリーおよびバーデン・ヴュルテンベルク州の代表と、かつてのチェコスロヴァキアの大統領エドヴァルト・ベネシュに因む同布告について協議した。この布告に基づき、200万人以上のズデーテンドイツ人と数万人のハンガリー人が1945年以降チェコスロヴァキアから追放された。
ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相は先月、チェコがEU加盟前に同布告を撤廃するよう要求した。チェコ同様2004年の欧州連合(EU)加盟を目指すハンガリーでは、4月に総選挙が控えている。多くのチェコ国民は、1945年以後に剥奪された財産の返還を外国人が要求するのではないかと恐れている。チェコのヴァーツラフ・クラウス国会議長は先日、ベネシュ布告の変更を阻む条項を加盟交渉の場でEUに認めさせるようミロシュ・ゼマン首相に要求した。チェコでは6月に議会選挙がある。
ベネシュ布告をめぐる新たな論争を背景に、2月末ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は、3月末に予定されていたチェコ訪問の取りやめを通告した。ドイツとチェコを越えてエスカレートする論争では、このような問題の理性的な議論はほとんど不可能である、と首相は訪問延期の理由を挙げている。ドイツとチェコの関係は最近、あるインタビューでズデーテンドイツ人を「ヒトラーの第五列」でありチェコ国民に対する(ナチの)集団虐殺を支持した「裏切り者」であると評したゼマン首相の発言で悪化した。
原題:Weiter Streit um Benes-Dekrete