2000年5月4日(木)

欧州委員会はオーストリアの仲介をとる用意

ブリュッセル / ベルリン(ロイター)

 欧州委員会は、オーストリアの外交的孤立が早急に解かれるという推測を否定した。「大多数のEU加盟諸国がオーストリア政府に対する制裁を解除しようとする兆候はない」と木曜日に欧州委員会のスポークスマンは語った。しかし一方で委員会は、ユーロ安の一因となっている問題に関し、仲介の労をとる用意があることを協調した。ドイツ連邦政府はこの問題でオーストリアのためにイニシアチブをとる理由を認めていない。ドイツ連邦首相ゲルハルト・シュレーダー(社会民主党)は欧州委員長ロマーノ・プローディと今晩この問題について会談を行ったが、詳細は明らかでない。

 欧州委員会は、最近、日刊新聞『ヴェルト(世界)』で紹介された、EU加盟国の多数は対オーストリア関係の早期正常化に賛成であるという観測を否定した。「今のところ何の兆候もない。欧州委員会はこれまでと同様仲介の労をとる用意があるが、今のところそうした依頼はない」とスポークスマンのヨナタン・ファウルは述べた。14のEU加盟国は2月、右翼大衆主義のイェルク・ハイダー率いる自由党(FPO)の政権参加を批判して、オーストリアとの外交関係を制限する措置をとった。オーストリア政府は金曜日に他のEU諸国の譲歩を引き出す方策を協議する予定である。

 この制裁はあくまでも加盟諸国間の措置であり、EUにおけるオーストリアとの協力関係に及ぶものではない。オーストリアに対する関係はユーロとの関連もあり、月曜日にブリュッセルで開かれるEU蔵相会議のテーマとなろう。週末のEU外相会議でも協議の対象となる可能性がある。外相会議の前に、自由党と(FPO)と保守の国民党(OVP)のオーストリア連立政権は、他の加盟国に対する立場を明確に表明する意向であった。

 ドイツ連邦政府はシュレーダー首相とプローディ欧州委員長のブリュッセルでの会談の前に、ドイツの立場としてはオーストリアのためにイニシアチブをとる理由はないことを明言した。「(オーストリアの中道右派政府に対する措置を決定する)決定基盤には何らの変化もない」と政府報道官はベルリンで語った。ヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)も同様の発言を行った。「この案件に関しては現在何ら新たな事態を認めていない。」プローディ委員長は夜、シュレーダー首相とオーストリア問題に関し「長時間率直な」話し合いを行った、と述べた。しかしその後プローディもシュレーダーも会談の詳細を語っていない。

 シュレーダー首相も他のドイツ政府の代表もオーストリアの孤立措置が開始されて以来、ドイツはその過去の歴史ゆえに制裁解除の先導役を務めることはないだろう、と繰り返し言明してきた。ドイツ連邦政府はこの件ではフランスとも協議し意見を調整することになろう。フランスは制裁に向けて強く働きかけた国であり、オーストリア政府に対するEU諸国の対応に関して主導的立場にあるとされている。しかし最近、数カ国の間では、夏のフランスのEU議長国就任前に制裁を解き、EUの機構改革ならびに東方拡大のような重要なEUの決定事項を危うくせぬようにすべきであるという声が高まりつつある。

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