2000年10月4日(水) 12:56

シュッセル首相:EU東方拡大で市民に過大な負担をかけてはならない

ヴィースバーデン(ロイター)

オーストリア連邦首相ヴォルフガンク・シュッセルはEUの東方拡大について広範な議論を行うことに賛意を示した。ヴィースバーデンにヘッセン州首相ローラント・コッホ(キリスト教民主同盟)を訪問したシュッセル首相は水曜日、欧州連合(EU)の東方拡大は繊細な案件である、と述べた。「デンマークの国民投票でユーロ導入を否決する結果が出た今こそ、市民に過大な負担をかけぬよう配慮することが必要である。今求められているのはEUのさまざまなレベルの権限を明確に分かつことである。欧州委員会は適切な提案をせねばならぬ時期に来ている。」

コッホ州首相は、オーストリア政府がドレスデンにおけるドイツ統一10周年記念式典に招待されなかったことに対して遺憾の意を表した。「これはオーストリアとの交流を再び正常な関係に戻すというEUの意向に添うものではない」とコッホは述べた。「オーストリアはハンガリーの隣国としてヨーロッパの境界線の開放にあたり独自の貢献をしたにもかかわらずである。」シュッセル首相は前日、「オーストリアの代表をドレスデンに招待しなかったことにより(ドイツは)関係正常化の意思を表明する機会を逃した」と述べた。

オーストリアのパートナーであるEU14ヶ国は、右翼大衆主義政党の自由党(FPO)の政権参加に対する抗議からオーストリアに科していた7ヶ月にわたる制裁措置をこの9月に解除した。しかし同時に依然としてオーストリア自由党(FPO)に対する懸念が消えないことも強調した。制裁解除後ドイツ政府の表明したところによれば、ゲルハルト・シュレーダー首相(社会民主党)は年末までオーストリア訪問の計画がなく、またオーストリア側の訪問を受ける予定もないという。