2001年4月11日(水) 16:55

EUは労働市場の開放に関し最長7年間の移行期間を提案

ブリュッセル(ロイター)

欧州委員会の提案に従えば、EU加盟候補諸国の労働者は最長で7年間の移行期間を経てはじめてEUの労働市場に自由に参入することが認められる。ギュンター・フェアホイゲンEU拡大委員は水曜日ブリュッセルにおいて、加盟後は5年間の移行期間が適用され、さらに2年間の延長が認められる。柔軟なシステムにするため、5年間の期間についても期間開始後2年で短縮の可能性が検討される。しかし短縮が認められるためには、EU加盟国すべての同意が必要である、と説明した。この提案により欧州委員会は、最長で7年間の移行期間を主張していたドイツのゲルハルト・シュレーダー首相の提案を容れた形となる。

EU拡大後に労働者が流入し労働市場が深刻な打撃を受ける可能性はむしろ低いが、その可能性を完全に排除することもできない。それゆえ欧州委員会は数度の柔軟な短縮の可能性を含む最長7年間の移行システムを提案するのである。これによれば開始後2年で欧州委員会の提案に基づいて最初の短縮の検討が行われる。その後は加盟候補国もEU加盟国のどちらでも新たな検討を申請することができる。しかし一つのEU加盟国から7年間の移行期間を丸々適用するよう希望があれば、その国に対してこれを拒むことはできない、とフェアホイゲン委員は委員会提案の根拠について述べた。

シュレーダー首相は、7年間の移行期間を設けるのは、EU加盟候補国のポーランドやチェコに対し国境地域の多くの住民が抱く不安、すなわち隣国の安い労働力との競争にさらされるのではないかとか職を失うのではないかという不安に対処するためである、と述べている。「欧州委員会がドイツ首相の提案に添う形で提唱を行っているのであれば、ただ喜ばしい限りである」とドイツ政府のスポークスマンは水曜日に声明を出した。オーストリアのヴォルフガンク・シュッセル首相も7年間の移行期間を支持していた。一方、欧州委員会内ではドイツ人のフェアホイゲン委員の行動に批判の声が上がった。当初フェアホイゲン委員はこの拡大に関する提案を来週欧州委員会に諮る予定であったが、突然これを水曜日に繰り上げたのである。

EUは現在東欧の10カ国ならびにキプロスとマルタと加盟協議を行っている。キプロスとマルタについては移動の自由の関する移行期間は適用されない。欧州委員会の提案が諮られるのは他の10ヶ国との協議の席に限られる。しかしこの提案は加盟協議の前にまず15ヶ国のEU加盟国の協議にかけられねばならない。フェアホイゲン委員は、この提案は「長いプロセスの第一歩である」と述べた。EUの各国首脳は2004年の第一陣の加盟を期待する旨の声明を発表している。

7年間の移行期間の提案はすでに加盟候補国からは批判を受けている。ポーランドのイェジ・ブゼク首相は、この問題ではまだ「非常に多くの交渉と非常に多くの議論が」必要となろうと語った。チェコの外務省筋は、チェコ政府は移行期間を拒否すると伝えている。一方、スロヴァキアの対EU主席交渉官ヤン・フィゲルは、委員会提案の柔軟な構成を歓迎すると述べ、加盟2年後の再検討の機会では、EU加盟が実際にどのような影響を及ぼしているかを調査できる、と評価した。

原題:EU will maximal siebenjaehrige Uebergangsfrist beim Arbeitsmark