2001年4月22日(日) 14:20
EUの速やかな東方拡大は加盟候補国の市場経済確立が進捗しないために実現しない恐れがある。欧州連合の各国蔵相は、1993年に可決された加盟基準の厳守を主張する。
加盟候補諸国がこれを満たさねば、2004年以降に計画されている東方拡大に遅れが出る可能性がある。これはEU各国蔵相と加盟候補国の蔵相および中央銀行総裁同士の初の会合を終えて明らかになった。
加盟候補諸国の間からは厳しいEUの路線に対する批判の声は聞こえてこない。スロヴァキアのブリギータ・シュメグネローヴァ蔵相は、「加盟候補諸国がまだこの先重要な構造改革を行い、一層の財政の安定化を図らねばならないことは明らかである」と語った。スロヴェニアのアントン・ロプ蔵相も、この路線に同意すると述べた。 EUは現在10の中東欧の国々ならびにキプロスとマルタとの間で加盟交渉を行っている。加盟候補国のトルコとはいまだ協議が開始されていない。
ドイツのハンス・アイヒェル蔵相は1993年の加盟基準の緩和に対して断固反対する姿勢を示した。「経済的な観点で理にかなっていなくてはならない。さもなくば成功は望めないだろう。」いわゆるコペンハーゲン基準は加盟国に対して安定した経済をとりわけ要求している。EUによれば、そのためにはさらなる構造改革、民営化および均衡のとれた財政政策が候補諸国に求められるという。
またEU加盟が1999年に発足した通貨連合への参加にそのまま直結するわけではないとドイツ連邦銀行のエルンスト・ヴェルテケ総裁は強調し、ユーロ加盟に際しては厳格なマーストリヒト安定基準が遵守されねばならないと述べた。
アイヒェル蔵相によれば加盟候補諸国に対するこうした要求は達成可能であるという。「もちろんまだ山のように課題はある」。しかし「われわれは、財政規律が保たれ、支出が生産的な領域に向けられ、成長を促す構造改革が実行されれば、この課題は解決可能であると考える」。候補国に対し新たなハードルを設けているわけではないのだ。ドイツはEU加盟候補国の最も重要な貿易および投資相手国として、とりわけ拡大の恩恵を受けることになろう、と蔵相は語った。
〔以下略〕
原題:Schnelle EU-Osterweiterung?