2002年4月24日(水)16:24
プラハ(ロイター)
チェコの議会は水曜日、ベネシュ布告に基づく権利および財産関係を「議論の余地なく、不可侵で、変更不可能である」と全会一致で宣言した。
第二次大戦直後に公布された同布告は、およそ300万人のドイツ人とハンガリー人のチェコスロヴァキア放逐の法的根拠となった。放逐された人々はチェコスロヴァキアの国籍と財産を失った。今回のチェコ議会の宣言は、故郷放逐者がそのいずれをも再取得できないことを確認するものである。
ベネシュ布告の撤廃は第二次大戦の結果の修正につながる、とチェコは公式の論拠を述べている。非公式には、かつての財産の再譲渡を求める訴訟が次々に起される事態をチェコが危惧していることを認めた形になる。
ドイツの故郷放逐者同盟のエーリカ・シュタインバッハ議長は、チェコ議会の決定を批判し、この決定は「チェコ共和国の代表者たちが言語道断のベネシュ布告に一字たりとも変更を加える意図がないこと」を示している。犠牲者に対する同情も「民族浄化」に対する遺憾の意もない。チェコ議会は自国の後続の世代にも欧州にも何ら朗報をもたらさなかった、と語った。
ズデーテンドイツ郷土同盟のベルント・ポッセルト議長は、「欧州の標準を目指しているチェコの反動」であると批判し、ドイツ政府と連邦議会は基本的なドイツおよびヨーロッパの法的状況をおびやかす、この決定に対し、対応を取らねばならない、と主張した。
これまでドイツとハンガリーの政治家は、ベネシュ布告の削除を求め、同布告が欧州連合加盟を求めるチェコの希望と相容れないものであると述べてきた。この論争は三ヶ国おける選挙戦により民族主義的な色彩を帯びた。
原題:Tschechisches Parlament bekraeftigt Benes-Dekrete