2002年4月28日(日)Die Welt (online)

ヘンシュ欧州議員:「ベネシュ布告はチェコのEU加盟を危うくする」

チェコ議会は水曜日にベネシュ布告を確認

ベルリン

チェコ共和国の欧州連合(EU)加盟は、同国議会が水曜日にベネシュ布告を確認したため、困難になった。社会民主党所属の欧州議会議員で、欧州議会の元議長クラウス・ヘンシュは、決議は「EU加盟に関して生ずる疑問すべてには答えていない」と述べた。

EUの憲法会議*)のメンバーでもあるヘンシュ議員は今後、欧州議会の外務委員会の委託による法律鑑定の結果を待つ。これは、第二次大戦後ズデーテンドイツ人の放逐の根拠となったベネシュ布告が、今日もチェコの司法判断に影響を与えているか否かを調査するものである。「われわれは、この布告が司法判断で差別的な役割を果たしているとの実例を知っている」。とすればEU内でドイツ人のみが服さねばならない特別法が存在することになる、とヘンシュは語った。

ヘンシュ議員は、ベネシュ布告をEU加盟条約で再確認するよう求めたチェコのヴァーツラフ・クラウス国会議長**)の要求などを退けた。「そうなれば私のような者も加盟申請に反対する、とヘンシュ議員は警告した。

原題:Benes-Dekrete gefaehrden EU-Beitritt Prags
Das tschechische Parlament hat am Mittwoch die Benes-Dekrete bestaetigt

訳注:
*) 憲法会議(Verfassungskonvent)とはEUの将来像に関する会議(「将来像会議」)を指す。
**) 原文には"Premierminister"(首相)とあるが、国会議長の誤り。(首相はミロシュ・ゼマン。)