2004年4月18日(日)12:56

キリスト教民主同盟党首はキリスト教社会同盟党首のEU最低税率案に反対

ベルリン(AP)

キリスト教民主同盟(CDU)のアンゲラ・メルケル党首は、キリスト教社会同盟(CSU)のエトムント・シュトイバー党首の提案するEU一律の最低税率導入に反対の意向を表明した。週末のニュース雑誌『シュピーゲル』 Der Spiegelの報道によれば、メルケル党首は、そのような提案は「目的に添ったものではなく」、「誤った嫉妬の議論」を煽るだけである。ある国が所得税を引き下げる代わりに付加価値税のような間接税を引き上げると決定するのは正当なことである、と主張したという。これに対し、シュトイバー党首は新規EU加盟国の「不公正な税政策」を批判している。

『シュピーゲル』の報道によれば、メルケル党首は先週木曜日、訪問先のスロヴァキアで、「私たちが行うべきでないのは、この国の税制にあれこれ文句をつけることである」と述べた。一方シュトイバー党首は、スロヴァキアの一律19パーセントの所得税を踏まえ、全EU加盟国に最低25パーセントの最低税率を導入するよう提案している。

シュトイバー党首はまた『ヴェルト日曜版』紙Welt am Sonntagで、EU加盟国がそれぞれの国民総生産の最低比率を年間の税収総額として徴収するべきであると提案した。こうすれば加盟国間の税率競争への介入は避けられる。しかし不公正な税率ダンピングは阻止する必要がある。「低い税率がすべてダンピングではないが、EU補助金によって税率が意図的に低く抑えられているケースがある」とバイエルンの州首相を務めるシュトイバー党首は主張した。

EU加盟候補国は自ら充分な税収総額を確保せねばならず、これを高額なEU補助金で埋め合わせてはならない、とシュトイバー党首は強調した。「私たちは税率競争には賛成であるが、EUの補助金でまかなわれる不公正な税政策は拒否する。」

自由民主党(FDP)のコルネリア・ピーパー幹事長は、税率ダンピングとの批判は古い思考に基づくものだと述べた。EUの競争において新規加盟国が立地のハンディーを魅力的な投資条件で埋め合わせようとするのは理解できる。低い税率もその一つである、と語った。

原題:Merkel gegen Stoibers Vorstoss zu EU-Mindeststeuer




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