2004年4月19日(月)23:15
ベルリン(AP)
EU東方拡大まで残すところ2週間を切り、キリスト教民主同盟・社会同盟内ではEU最低税率をめぐって論争が起きている。キリスト教社会同盟(CSU)のエトムント・シュトイバー党首は月曜日、EU最低税率案をあらためて主張したが、キリスト教民主同盟(CDU)のアンゲラ・メルケル党首は、EU全加盟国に最低税率を導入することには反対する意向を明確に表明した。
「直接税と間接税の比率は各国の自由裁量に委ねらねばならない。これはEUの公正な競争の一環である」とメルケル党首は『ヴェルト』紙(火曜版)Die Weltに語った。しかしEUは公正な競争を保証する一方で、「実質負担国の企業の直接閉鎖に関わる企業移転に対しては補助金を支給してはならない」。このようなハンディに関しては「ドイツ再統一の際もきわめて良い経験を積んでいる」とメルケル党首は主張した。
シュトイバー党首はすでに先々週の末、EU一律に25パーセントという所得税の最低税率を設けるよう提案している。また月曜日(今日)はこの問題でメルケル党首と意見の衝突はないと明確に述べたが、公正な税率競争が妨げられるようなことがあってはならないとも強調した。EUが税収不足分を補助金で補ってくれるとの期待のもとに、ある国が意図的に低い税率を設定することは受け容れ難い、とバイエルンの州首相を務めるシュトイバー党首は主張した。
原題:Merkel gegen Mindeststeuersaetze in der EU