2004年4月22日(木)17:29
モスクワ(AFP)
EU拡大を1週間後に控え、ロシアと欧州連合は、拡大EUに囲まれるロシアの飛び地カリーニングラードとロシアの間の通商問題で合意に達した。これはロシアのゲルマン・グレフ通商経済発展相が、モスクワで欧州委員会のパスカル・ラミー通商担当委員との会談を終えて発表したもの。
7名の欧州委員とロマーノ・プローディ欧州委員長は、最後に残った問題を解決するためにモスクワを訪れていた。ロシアはこれまで、EU拡大により、かつてソ連または東欧ブロックに属した新規EU加盟国との通商で従来の関税特権が失われることを懸念していた。ロシア政府は輸入関税による損失を、最高で年間3億ユーロと見積もっている。EUの関税規定により、ロシアの製品の値段は新規加盟国では高くなる。
カリーニングラード問題の合意は双方にとって好都合であるとグレフ通商経済発展相は述べたと、RIAノヴォスチ通信は伝えている。インターファックス通信によれば、ラミー通商担当委員はとりわけ「厄介な」通過(トランジット)の問題で合意が得られたことに満足していると述べたという。詳細はプローディ欧州委員長とロシアのウラジミール・プーチン大統領との会談後に発表されるという。
新規EU加盟国エストニアとラトヴィアのロシア系住民の問題も争点として残っており、ロシアはロシア系住民の権利拡大を要求している。欧州委員会のクリス・パッテン外交担当委員のディエゴ・デ・オヘーダ広報官は、この問題ではまだ合意ができていないと述べた。
EUとの合意は、ロシア政府の世界貿易機構(WTO)への加盟交渉を容易にする可能性がある。ロシアは経済大国で唯一WTOに加盟していない。未加盟の主な理由は自国のエネルギーや農産物に対する補助金である。
原題:Russland und EU einig ueber Handel mit Kaliningrad
訳注:原文中に明記されていないが、EUとロシアの合意は1997年に結ばれたパートナーシップ・協力協定の新規EU加盟国への拡大適用に関するものである。