2004年4月24日(土)17:16

シュレーダー首相は新規EU加盟国の税率ダンピングに対し警告

ベルリン(AP)

EU拡大を直前に控え、ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は新規加盟国に対して、税率ダンピングを行わぬよう警告した。これらの国は、最低税率のためにインフラ整備の資金が得られないからといって、EUの支払いをあてにしてはならない、と首相は土曜日に発表された『フォーカス』誌Focusのインタビューで明確に述べた。「そのようなやり方は認められない。」

シュレーダー首相は、欧州連合の統一的税率を求めるハンス・アイヒェル財務相の主張に賛同したものの、だがその実現は難しいと述べた。「我々の税率と賃金は低いが、そのために自分たちでは負担できないインフラストラクチャーは、EUが整備してくれる、などという期待が中東欧の国々にはある」。これは受け容れられない。「私たちは理性的な均衡が必要だ」、と首相は主張した。

ヘッセンのローラント・コッホ(キリスト教民主同盟)州首相もシュレーダー首相の要求に賛同し、同様の論拠を述べた。こうした国々が税率を低く抑え、企業を誘致し、「ドイツの私たちが職場を失う」のを援助するために、補助金が支給されるようなことがあってはならない、と州首相は『ヴェルト日曜版』紙Welt am Sonntag に語った。

アイヒェル財務相はEU全体で税率を一律にするという希望をあらためて述べた。「今日すでに付加価値税で実現しているように、EU加盟国が移動できるような回廊が必要だ」と社会民主党所属の財務相は『シュピーゲル』誌 Der Spiegelに述べた。財務相の非難の矛先は、とりわけ0パーセントまたは12パーセントの企業課税にとどめているエストニアとアイルランドに向けられた。「これは人々に説明できず、欧州統合の理念を損ねるものだ。」

まず法人税の共同の査定基準を確立するという、欧州委員会のフリッツ・ボルケンスタイン域内市場担当委員の提案について、アイヒェル財務相は企業課税の調整に向けた重要な一歩として歓迎の意向を示した。「所得税の格差調整に向けた同様の提案があれば、われわれは全面的に支持する」と財務相は述べた。『シュピーゲル』の報道によれば、ドイツの多額のEU拠出金を踏まえ、アイヒェル財務相はEU内部で政治的軋轢が生じると警告した。「なぜ我々が我々の企業の外国移転に対して資金援助しなければならないのかと人々が尋ねるような空気が我が国に生まれれば、誰のためにもならないであろう。」

原題:Schroeder warnt neue EU-Staaten vor Steuer-Dumping




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