2005年4月13日(水)14:13

欧州議会は次期拡大を承認

ストラスブール(AP)

ストラスブールの欧州議会は水曜日、2007年に予定されているブルガリアとルーマニアのEU加盟を圧倒的多数で承認した。その一方で議会は両国に対し、EU加盟までにさらなる改革を実行するよう勧告した。ドイツのキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)議員団は全員が決議に反対した。同議員団は両国に汚職撲滅などの点でなお著しい欠陥があると指摘した。

ブルガリアの加盟には522名の議員が賛成、70名が反対、69名が棄権した。ルーマニアの加盟については賛成497、反対93、棄権71であった。しかし両国はEUが数項のいわゆる安全条項を設けたため、2007年加盟の保証は得られなかった。この条項では、加盟候補国が課題を果たさない場合は加盟をさらに1年延期できると定められている。

「両国の加盟基準達成に明らかな遅れが認められるため、この決定は今の時点では時期尚早である」、とキリスト教民主同盟(CDU)のハルトムート・ナッサウアー議員とキリスト教社会同盟(CSU)のマルクス・フェルバー議員は語った。ドイツの社会民主党(SPD)議員団は多数が決議に賛成したが、一方で、これはブルガリアとルーマニアに対しフリーパスを与えるものではないと強調した。

自由民主党(FDP)と緑の党はとりわけルーマニアの加盟資格に疑問を表明した。「ルーマニアの欧州連合加盟準備が整ったなどと主張できる人は誰もいない」、と緑の党のダーニエル・コーンベンディート議員は、表決前の一部過熱した議論で発言した。自由民主党のアレクサンダー・グラーフ・ラムズドルフ議員は、ルーマニアは「いくつかの分野でまだEU加盟にはほど遠い」と述べた。

EUはルーマニアについて、汚職のほかに司法や刑事訴追の全般的状況に問題があると指摘した。さらにシンティ・ロマをはじめとする少数民族の保護でも問題を認めた。また環境権や競争権でも遅れを指摘した。一方ブルガリアの方はEU加盟に近づいている。しかしやはりEUはブルガリアについても汚職や組織犯罪の撲滅で改善の必要があると見ている。

欧州委員会のオリ・レーン拡大委員は火曜日、両国に対してさらなる改革を実行するようあらためて求めた。「私たちは保護条項の適用を躊躇しない」。「もし両国が著しく後退するならば、加盟を延期する可能性がある」、とレーン委員は警告した。

原題:EU-Parlament stimmt naechster Erweiterung zu

訳注:同日のAPF通信(EU-Parlament fuer Beitritt Bulgariens und Rumaeniens)によれば、欧州議会はルーマニアに対してこのほかにも人身売買の取り締まり、完全な報道の自由を要求したという。ブルガリアに対してもロマの生活状況の改善や報道の自由を求めた。しかしこれで事実上両国の加盟には障害がなくなり、加盟条約は予定通り4月25日にルクセンブルクで調印される運びとなった。




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