2005年4月26日(火)19:05

クロアチアとのEU加盟交渉は依然凍結

ルクセンブルク(AP)

ハーグの国連戦犯法廷との協力が不十分との理由で、クロアチアとのEU加盟交渉は引き続き凍結される。捜索を受けているアンテ・ゴトヴィナ元将軍は依然「政府の手の届くところに」いる。元将軍は今でもクロアチアに潜伏している、とカルラ・デルポンテ国連主任検察官は火曜日、ルクセンブルクでEUの代表との会合を終えて語った。クロアチアのイーヴォ・サナーデル首相はこれを否定した。

サナーデル首相はデルポンテ国連主任検察官の後、EUの代表とも会見した。加盟交渉は当初3月17日に開始されることになっていた。しかしクロアチア政府が、旧ユーゴスラヴィアの戦争犯罪を裁くハーグの国連戦犯法廷と十分な協力を行っていないことを理由に、EUは加盟交渉を無期延期した。懸案はゴトヴィナ元将軍の身柄引渡しのみである。元将軍は、1995年のクロアチア軍によるクライナ侵攻の際、150人のセルビア人殺害と150,000人の放逐に関わったとされており、2001年から捜索を受けている。元将軍はクロアチア国民の一部からは英雄視されているため、身柄引き渡しは政治的に難しい問題と考えられている。

デルポンテ国連主任検察官は、ゴトヴィナ元将軍を匿っているクロアチアのネットワークについて情報が入っていると述べた。私は、次回6月13日の国連安全保障会議では、ゴトヴィナ元将軍のハーグ国連戦犯法廷への身柄引き渡しが報告できるよう望む、と語った。一方サナーデル首相は、「私たちの得た情報では、ゴトヴィナ元将軍がクロアチアにいるとの証拠はない」。しかしデルポンテ主任検察官とは協力するつもりだ。「私たちは同じ目標を追っている」。「ゴトヴィナ元将軍はハーグ国連戦犯法廷に立たねばならない」、と語った。

サナーデル首相はルクセンブルクで、ゴトヴィナ元将軍を逮捕する6項目計画を発表した。しかし元将軍の身柄が国連戦犯法廷に引き渡されることが加盟交渉開始の条件ではない。むしろクロアチア政府は同法廷と全面的に協力する姿勢を示す必要がある、とEU議長を務めるルクセンブルクのジャン・アッセルボルン外相は述べた。「EU加盟の扉の鍵はクロアチア政府が握っている」。国連戦犯法廷との協力が確認されれば、「交渉は直ちに開始される」、と外相は強調した。

欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は、加盟交渉開始の鍵となるのはハーグ国連戦犯法廷である。これは西バルカンのすべての国にも当てはまる。「ここでは和解が求められているのだ」、と語った。レーン委員は、2004年9月以来あわせて20人の戦争犯罪人が西バルカンからハーグの戦犯法廷に身柄を送られたと述べ、EUの政策がすでに実を結んでいることを指摘した。

デルポンテ主任検察官も、私はこの件ではたいへん満足している。残すは10人の戦争犯罪人だけとなった。そのうち2人はロシアに、ゴトヴィナ元将軍はクロアチアに、残りの8人はセルビアにいる、と検察官は語り、とりわけ最近のセルビア・モンテネグロ政府の国連戦犯協力法廷との協力姿勢を評価した。

一方、10月3日のトルコとの加盟交渉開始に向けた準備は予定どおり進んでいる。トルコのアブドラ・ギュル外相はルクセンブルクでEUの代表と会談し、トルコ政府がキプロスを事実上承認する用意があることを強調した。現行のEUとトルコの関税同盟を新規加盟10ヶ国に拡大することを定めた附帯条項に調印する意思がある、と外相は語った。

原題:EU-Beitrittsverhandlungen mit Kroatien weiter auf Eis




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