2006年4月4日(火)14:17

ルーマニアとブルガリアのEU加盟をめぐり論争

ストラスブール(ドイツ通信社 dpa)

2007年に予定されているルーマニアとブルガリアのEU加盟は依然論争を呼んでいる。欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は、改革の著しい遅れや汚職の蔓延にもかかわらず、両国のEU加盟について控えめながら確かな見通しを表明した。一方これを受けて欧州議会の最大会派の欧州国民党(EVP)は抵抗の構えを示した。

欧州国民党に所属するドイツのハルトムート・ナッサウアー議員(キリスト教民主同盟CDU)とマルクス・フェルバー議員(キリスト教社会同盟CSU)はレーン拡大委員に対して、5月の段階で加盟期日に関する最終的な勧告を出さぬよう警告した。

レーン委員は月曜日の晩ストラスブールの欧州議会で、2007年という加盟目標は「まだ達成可能であるが、改革の完了とその実行が求められる」と述べた。ブルガリアとルーマニアとの加盟条約には、欧州委員会が両国のEU水準への接近が不十分と判断した場合は加盟を1年延期することができるとの条項がある。これについては5月の欧州委員会の勧告に基づき、6月のブリュッセル首脳会議が決定を行うことになっている。

ルーマニアは蔓延する汚職の撲滅に着手したものの、「最上層の汚職に対し一層精力的に対処する」必要がある。「起訴や有罪判決や厳罰など、実質的な成果を示さねばならない」。行政も引き続き改革が必要であり、ルーマニアでは依然人身売買が問題となっている。少数民族の保護に関してもルーマニアはとりわけロマについての施策が遅れている、とレーン委員は述べた。

ブルガリアも汚職の撲滅ではこれまでのところほとんど具体的な成果が上がっていない、とレーン委員は指摘した。組織犯罪の撲滅も新たな形で開始されたものの、「依然捜査や刑事訴訟に至る事例はごく僅かである」。司法制度も充分改革されたとは言いがたく、「司法の独立に関しても曖昧な面」が残っている。人身売買や少数民族の保護についても、ルーマニアと同じことが当てはまる、とレーン委員は語った。

もし「根本的な問題」が未解決に留まるならば、私は一年の加盟延期を勧告するつもりだ。欧州委員会が延期を勧告すれば、EU首脳会議はこれについて6月に決定を下すことになる。「さもなくば加盟は2007年に実現する」。しかし加盟決定の場合でも、欧州委員会は特定の保護条項を適用して加盟に制限を付け、両国に対し期限付きの課題を課すことを検討することになろう、とレーン委員は警告した。

ナッサウアー議員とフェルバー議員は、依然2007年の加盟目標が達成可能としたレーン委員の発言を「非生産的」と述べ、レーン委員は両国に対する「改革圧力を弱める」という危険を冒していると批判した。両議員はレーン委員に対し、加盟期日に関する最終的勧告を5月ではなく秋まで延期するよう求めた。

原題:Streit um EU-Beitritt Rumaeniens und Bulgariens




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