2006年4月27日(木)11:54

喜ばしきEU拡大

ベルリン(ddp)

2004年5月1日に欧州連合は史上最大の拡大を実現した。エストニア、ラトヴィア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロヴァキア、スロヴェニア、チェコ共和国、ハンガリー、キプロスが新たにEUに加盟した。それから2年、経済政策の面で様々の懸念があったものの25ヶ国のEUは順調な発展を見せている。2004年と2005年、拡大EUの経済力は10ヶ国の「新加盟国」により、15の「旧加盟国」のみの場合よりも幾分高い成長を示した。

EUの統計局(ユーロスタットEurostat)の数字ははっきりとこれを示している。「旧」EU15ヶ国の国内総生産が2004年に2.3%、2005年には1.5%の成長にとどまったのに対し、「新」EU25ヶ国では2.4%(2004年)、1.6%(2005年)の成長率となっている。2006年についても拡大EUの経済成長率は2.1%と予測され、「旧」EUの2.0%を上回っている。

「新」加盟国の期待どおり、EU加盟は収支的に報われた。経済力はほぼすべての新規加盟国で加盟前の5年間よりもはるかに強くなった。とりわけチェコ、スロヴァキア、ならびにバルト三国のラトヴィア、エストニア、リトアニアは数パーセントに及び、文字どおりの飛躍を示した。農業依存度の高いポーランド経済も成長した。マルタだけが少なくとも2004年に関しては1.5%のマイナスを記録したが、2005年には再び2.5%の成長に転じている。

EU加盟は加盟国の労働市場に広範囲で良い影響を及ぼしている。新規加盟10ヶ国中7ヶ国で失業率が低下した。最悪のポーランドも状況が好転している。加盟前には常に20パーセントに及んでいた失業率が、2005年には17.7%に下がっており、これは最近5年間で最も良い数値である。二番目に悪いスロヴァキアも失業率が二桁に上っていたが、2001年の19.3%から現在は16.4%に下がっている。

しかし拡大の恩恵を受けたのは新規加盟国ばかりではない。ドイツも新規加盟国に対する輸出が上昇を続け、2003年から2005年までの間に金額で110億ユーロ、率にして約20%の伸びを示し、675億6千万ユーロにのぼった。新規加盟国からの輸入は20億ユーロ、率にして3%増え、593億8千万ユーロとなった。専門家は新規加盟国の貿易統合の強化が、「国内の雇用の安定化または構造改革の枠内での雇用創出をもたらしている」と強調している。

問題は2004年から2006年までの期間で251億4千ユーロにのぼると予想される拡大コストである。新規加盟諸国の財政負担分は147億4千ユーロで、EUの実質支払い分は104億ユーロ、そのうちドイツの負担分はこの3年間で23億ユーロとなる。これは毎年500億ユーロと算定されているドイツ統一のコストのおよそ1.5%に相当する。だがEU拡大の支出は新規加盟10ヶ国に対するドイツの貿易黒字などで相殺される。2005年のドイツの貿易黒字額は82億ユーロにのぼっている。

原題:Erfreuliche Erweiterung




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