2008年4月6日(日)11:38

スロヴァキアは2009年にユーロ加盟の可能性

ブルド(ドイツ通信社dpa)

スロヴァキアはユーロ圏加盟を目前に控えている。同国は9ヶ月経たないうちに欧州通貨同盟の16番目の加盟国となる見込みがある。

スロヴァキアのヤン・ポチャテク財務相と発券銀行のイヴァン・スラムコ総裁は欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)に書簡を送り、2009年1月1日に支払いをユーロとセントに切り替えたいというスロヴァキア政府の意向を伝えた。これは欧州委員会とECBが土曜日、スロヴェニアのブルドで開かれたEU財務相理事会の終了後に伝えたもの。EU外交筋はスロヴァキアのユーロ加盟について可能性があると語った。

スロヴァキアがユーロに加盟すれば、2004年5月1日にEU加盟した中東欧諸国ではスロヴェニアに続く2番目のユーロ導入国となる。他の国は今後数年間加盟の展望がない。ユーロ圏は現在、北極圏から南の地中海に至る3億1800万の人々の通貨となっている。ユーロは1999年1月1日にまず帳簿上の通貨として導入され、その3年後に硬貨と紙幣の流通が開始された。

しかしEUではなおスロヴァキアの加盟に対する条件をめぐって激しい綱引きがある。EU加盟国は、スロヴァキアがインフレと国家債務を永続的に抑制できるか、政府の保証を求めている。目下スロヴェニアに対しては、2006年の新規債務超過を理由に罰則規定が適用されている。しかし2007年の赤字が再び許容範囲である国内総生産の3パーセント以内に抑えられたため、この罰則規定の適用は5月にも終了する予定である。

確かに物価高騰も現在のところ問題にはなっていない。年間のインフレ率は2.1パーセント(2008年2月時点)で、マーストリヒト条約の定める上限をずっと下回っている。同条約の基準では、最も低い加盟3ヶ国の平均を1.5パーセント以上超えてはならないとされている。しかしEUはスロヴァキア・クローネの急激な上昇を懸念している。対ユーロ比で2007年夏以降6パーセント以上も上昇しているのである。これにより現在は輸入におけるインフレ圧力が緩和されているが、ユーロ導入後はこの効果はなくなることが予想されるのである。

欧州委員会のホアキン・アルムニア通貨担当委員は、スロヴァキアがマーストリヒト基準を達成したか否かという質問に対しては回答を控えた。ECBはジャンクロード・トリシェ総裁の発言によれば、数値を「きわめて厳密に」調査する意向であるという。「基準を維持できるかも問題となる。」スロヴァキア政府の代表は審査に合格するとの自信を表明した。

欧州委員会とECBは5月7日に、スロヴァキアを含むユーロ未加盟のEU加盟国に関する収斂報告書を発表する予定である。これは2年ごとに作成される恒例の報告書で、候補国のユーロ圏加盟資格を評価するものである。アルムニア委員は、「スロヴァキアに対する報告が肯定的なものであれば、欧州委員会は6月のEU財務相理事会で加盟勧告を行うことになる」と述べた。これを受けて財務相理事会は6月のEU首脳会議で加盟の提案を行い、各国首脳の決定を求める。最終的な交換レートは6月の財務相理事会で決定されることになる。

重要なデータは4月の中旬にも明らかになる。EUの統計局であるユーロスタットが3月のEUのインフレ率ならびに2007年の最終的な財政赤字を発表するからである。

しかし加盟手続きではEUは条約の遵守に気を配らねばならない。それゆえ個々の国々に特例を設けることがあってはならない。ドイツのペール・シュタインブリュック財務相は、スロヴァキアの加盟見込みについては直接の言及を控えながら、「私たちは扉を閉じた店(閉鎖的な組合)」ではない」。条件がつくという印象を与えることがあってはならない。「すべての国が同じ基準を守る」必要があるのだ、と語った。

原題:Slowakei steht vor Euro-Beitritt 2009




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