2008年4月29日(火)18:34

EUは意外にもセルビアに加盟展望を与える

ルクセンブルク/ベルリン(AP)

欧州連合はセルビアに対し、意外にも将来の加盟に通じる扉を開いた。EU各国外相はルクセンブルクでセルビアのボジダル・ジェリッチ副首相との間で安定連合協定(SAA)に調印した。EU議長を務めるスロヴェニアのディミトリ・ルーペル外相は、5月11日のセルビア議会選挙を控えて親EU派に「強いシグナル」を送るものであると述べた。しかし協定が発効するのは、セルビアが国連ユーゴ戦犯法廷に「全面的に協力」してからとなる。セルビア政府内にはこの協定について異論がある。

EUは数ヶ月の綱引きを経て、ようやくセルビアとの安定連合協定締結に合意した。セルビアは旧ユーゴ諸国としてはクロアチア、マケドニア、モンテネグロ、アルバニアに続く5番目の安定連合協定締結国となる。協定は加盟候補国に対して改革を義務付けている。見返りに輸出入の手続きが簡素化される。クロアチアは2011年までのEU加盟の見込みが高いが、セルビアには加盟年の展望などは与えられていない。

安定連合協定はセルビア政府内で即座に論争を巻き起こした。ヴク・イェレミッチ外相がルクセンブルクで「セルビアとEUにとって歴史的な一日」と評価する一方、EU懐疑派のヴォイスラフ・コシュトニッツァ首相はベオグラードで、5月11日の議会選挙直後に条約の取り消しを求めると述べた。

議会選挙はこの春コシュトニッツァ首相率いるセルビア民主党(DSS)とタディッチ大統領率いる親西欧派の民主党(DS)の連立政権が崩壊したため、実施されるものである。背景には2月17日に独立宣言を行ったコソボの問題がある。EUでは加盟27ヶ国中18ヶ国がこの小さな国を承認している。それゆえコシュトニッツァ首相はEU接近を受け入れようとしない。

いずれにせよ安定連合協定はスロヴェニアのルーペル外相によれば当面は凍結されるという。協定はEU加盟全27ヶ国で批准された後、発効に至るが、その前にEU外相理事会はセルビアがハーグの国連旧ユーゴ戦犯法廷と「全面的な協力」を行っているかを確認する必要がある。

これはオランダとベルギーが強く要求して認めさせたものである。両国は、旧ユーゴ戦犯法廷で戦犯として訴えられている、かつてのボスニア・セルビア軍のラトコ・ムラディッチ司令官の身柄引き渡しを強く求めている。

原題:EU oeffnet Serbien ueberraschend die Tuer fuer spaeteren Beitritt




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