2008年4月30日(水)17:12
イスタンブール(AFP)
トルコはEUの長年の要求を受け入れ、問題のある「トルコ」条項を改正した。国内外の長年にわたる抗議を受けて、アンカラのトルコ議会は刑法301条の修正を可決し、これによりトルコの国家および機構に対する批判を和らげた。修正条項は民族主義的な裁判官や検事に対し、トルコを批判する者への訴追を制限する内容である。EUはこの決定を歓迎した。ドイツ政府はトルコにおける言論の自由の拡大を期待する、とドイツ外務省の広報官は語った。
政府の法案は8時間を超える議論の末、レチェプ・タイップ・エルドアン首相率いる与党AKPの賛成多数で可決された。票決では250名の議員が賛成し、反対は65名であった。これにより修正条項はアブドラ・ギュル大統領の署名を経て発効に至る。大統領の署名は確実と見られている。
EU議長国を務めるスロヴェニアはこの改正を「言論の自由の保証に向けた建設的な措置」とブリュッセルで述べた。欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員はトルコ政府に対し、目標は「トルコ国民に対する完全な言論の自由」でなくてはならないと、さらなる改革を呼びかけた。EUは2005年10月以来トルコとの間で加盟交渉を行っており、この条項を言論の自由を制約する道具として批判していた。
ドイツ政府も法案改正を歓迎した。トルコ議会は「久しくEUから勧告されていた重要な措置を講じた」。ドイツ政府は「言論の自由の大幅な拡大」を望んでいる。しかしこの刑法改正に対する評価は時を置く必要がある、と外務省の広報官はベルリンで語った。
「トルコ」条項は過去数年間、民族主義的な弁護士や検察官によって、ノーベル文学賞受賞者の作家オルハン・パムクなどの知識人を告訴する手段として利用されてきた。議会の決定によれば、「トルコ性」Tuerkentumという曖昧な概念が「トルコ国家」tuerkische Nation という具体的な文言に代わる。加えて、司法省の許可が下りた場合に限って刑法301条による訴追手続きが認められることになる。
最高刑は禁固3年から禁固2年に引き下げられ、執行猶予が認められる。また国内よりも外国での批判的発言を厳しく罰するという条文が削除される。
原題:Aenderung des "Tuerkentum"-Paragrafen verabschiedet