2009年4月29日(水)14:50
ブリュッセル(AP)
欧州委員会は、ドイツ連邦政府の発表した労働市場開放制限措置の延長を審査する意向である。EU東方拡大から5年経過した今でも、東欧諸国の労働者に対する包括的な労働市場開放制限を固持している国はドイツとオーストリアしかない、と欧州委員会は水曜日に伝えた。
これまではベルギーとデンマークでも市場開放制限措置が取られていたが、両国は金曜日(5月1日)から、2004年5月1日に加盟した新規EU加盟国に対して、自国の労働市場を開放する意向である、と欧州委員会は発表した。デンマークは2007年1月1日に加盟したブルガリアとルーマニアに対しても制限措置を撤廃する意向であるという。
ドイツとオーストリアが申請した2011年4月30日までの外国人労働者流入制限措置の延長について、欧州委員会のヴラディミール・シュピドラ雇用問題担当委員は、「私は、労働市場が深刻な影響を受ける場合は移行規定を固持できるという全加盟国の権利を尊重する。しかし欧州委員会はいくつかの報告書において、2004年と2007年のEU拡大後の労働者の移動が、移動の自由を制限しなかった国々の経済に良い影響を与えたと認めている」と語った。
今年1月に欧州委員会が発表した調査報告書では、2004年5月1日以来総計で180万人が東欧の新規加盟国から西側に移住したという。報告書によれば現在はおよそ380万人の旧東欧市民が西ヨーロッパで暮らしており、その半数以上は東方拡大以前に西側に移住した人々である。ドイツの労働市場への参入規制は今年の初めより幾分緩和された。1月以来新規加盟国の大学卒業者は需要状況の審査なくドイツで職に就くことが認められている。
原題:EU-Kommission prueft Zugangsbeschraenkungen zum deutschen Arbeitsmarkt