2010年4月9日(金)15:40
ソフィア(ドイツ通信社dpa)
ブルガリアは大幅な財政赤字を理由にユーロ圏加盟の目標をひとまず凍結した。これに対しエストニアは加盟に自信を示し、2011年初めの共通通貨導入を期待している。
「ユーロ圏が自らの規則に従うならば、私たちには来年1月1日のユーロ圏加盟が認められるべきである。なぜなら私たちはすべての基準を満たしているからだ」とエストニアのトーマス・ヘンドリク・イルヴェス大統領は金曜日、訪問先のプラハでドイツ通信社に語った。「すべてを要求どおりに行った国に対して『ノー』と言えば、きわめて奇妙なシグナルとなろう。」人口130万人のエストニアが加盟すれば、17番目のユーロ圏加盟国となる。
イルヴェス大統領はエストニアの経済指標がいわゆるマーストリヒト基準を満たしていることを指摘した。「私たちの財政赤字は1.7パーセントである。ほかにこのような国があるだろうか。ルクセンブルクぐらいかもしれない。」ユーロ加盟基準は単年度の財政赤字を国内総生産(GDP)の3パーセント以内と定めている。「私たちの公共予算の債務残高は7パーセントである」とイルヴェス大統領は述べた。ユーロ加盟基準では債務残高を国内総生産の60パーセント以内としている。エストニアのインフレ率もユーロ加盟に十分な低さであると大統領は指摘し、「6月末か7月初め」のEUの決定を期待すると述べた。
一方ブルガリアは数値が芳しくないため加盟延期に転じた。新たに算定された2009年の財政赤字は3.7パーセントで、当初推計の1.9パーセントではなかった、とシメオン・デャンコフ財務相は金曜日ソフィアで発表した。「私たちは基準を達成できなかったので、さしあたりユーロ圏への加盟を断念する」とボイコ・ボリソフ首相は述べた。
当初ブルガリアは今年半ばに欧州為替変動メカニズムに参加し、2013年にユーロ導入を図る意向であった。2009年半ば発足の政府は昨年の予算を算出し直したとデャンコフ財務相は述べた。その際、国家予算には計上されていなかった旧政府による21億レフ(およそ10万ユーロ)の発注も算定に含めたという。「私たちはユーロ圏加盟の準備ができたと伝えることにより、(ブリュッセルの)同僚を事実上欺いていたのだ」とボリソフ首相は認めた。しかし我が政府はこうした予算の「状況」について何も知らなかった、と首相は付け加えた。
ブルガリアは新たに算定し直された予算の赤字額についてすでにEUに伝えているという。財務相はこれからブルガリアに対する制裁措置が取られるものと危惧している。そうなればブルガリアの欧州為替変動メカニズムとユーロ圏への加盟が「少なくとも1年」妨げられる、と財務相は述べた。
原題:Bulgarien legt Beitritt zum Euro auf Eis - Estland will