2011年4月11日(月)15:25

EUは北アフリカからの難民の扱いをめぐり論争

AFP

EUは依然北アフリカからの難民の扱いをめぐって論争を続けている。ドイツのハンスペーター・フリードリヒ内相(キリスト教社会同盟CSU)はルクセンブルクで開かれたEU内相理事会で、チュニジアからの難民にビザを与えるとしたイタリアの発表をあらためて批判した。「イタリア経由で多くの経済難民がヨーロッパに入ることは容認できない」。それゆえドイツ政府はイタリア政府が現行の法規定を守るよう望む、とフリードリヒ内相は述べた。この間、地中海に浮かぶイタリアのランペドゥーザ島には新たに難民を乗せた2隻の船が到着した。

もしイタリアに入国したチュニジア難民に対しビザを発給し、それによりドイツに来る難民も増える事態となれば、ドイツは国境検査を強化する、とフリードリヒ内相は警告した。しかし今の段階では難民の数は増えていないので、まだ変更はない、と内相は述べた。フランスはすでに国境検査を強化している。

これまでイタリア政府は、難民問題で他のEU諸国から見捨てられているとたびたび訴えていた。先週イタリアは数千人のチュニジア難民に「人道的理由」から期限付きビザを認めると発表した。このビザを使えば原則としてドイツや他のシェンゲン圏の国々に入国することができる。イタリアのロベルト・マローニ内相は他のEU加盟国に対して、難民問題でイタリアを支援するようあらためて呼びかけた。

1月にチュニジアのベン・アリ大統領が失脚して以来、これまでおよそ26,000人の難民が北アフリカからイタリアに来たが、その大半はチュニジア人である。彼らはリビア内戦による難民などとは異なり、経済難民と見なされ、そのため特別の保護を受けられない。イタリアの地中海の島ランペドゥーザには新たに226名の難民を乗せた船が2隻到着した。マルタの海岸にもこの数週間到着する北アフリカの難民が増えている。

スペインのアルフレード・ペレス・ルバルカバ内相は、チュニジア難民は自国に戻り、チュニジア政府は彼らを受け入れる必要があると要求した。欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は明日火曜日に協議のためにチュニジアを訪問する意向である。

ドイツ同様オーストリアも、イタリア政府の支援の要求ならびにチュニジア難民に対するビザ発給を拒否している。小国マルタには支援の可能性があるがイタリアは条約を守る義務がある、とオーストリアのマリーア・フェクター内相は語った。

ドイツはすでに、およそ100人の難民をマルタから受け入れることを発表している。外交筋によれば、内相理事会の枠外では他のEU諸国もマルタを支援する意向を表明したという。

原題:EU streitet ueber Umgang mit Fluechtlingen aus Nordafrika




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