2011年4月18日(月)16:13

フランスは難民問題で譲歩せず

AFP

フランスはチュニジアからの難民をめぐるイタリアとの論争で自国の立場に固執している。難民がフランスに入国するためにはまず一定の条件を満たさねばならない、とフランスのクロード・ゲアン内相は語った。EUはイタリアからのチュニジア難民を数時間にわたり国境で阻むというフランスの決定をシェンゲン協定違反と見なしていない。

ゲアン内相はあらためて、フランスに入国するためチュニジア難民が満たさなければならない条件に言及した。たとえば有効な証明書を提示できること、また自活するために必要なお金を充分に所有していることである、とゲアン内相は訪問先のルーマニアで述べた。しかしフランスはイタリアとの軋轢を望んでいないと内相は付け加えた。イタリアは数週間前から自国に到着したおよそ20,000人のチュニジア難民に対して、滞在許可証の発給を始めた。これを使えば難民は他のEU加盟国に行くことができる。チュニジアのかつての宗主国であるフランスには、とりわけ多くのチュニジア系住民がいる。

ドイツのキリスト教民主同盟(CDU)所属のエルマー・ブローク欧州議員はイタリアの措置を批判した。「イタリアが法律違反を行っており、これがシェンゲン協定の精神に則っていないことは明らかだ」とブローク議員はrbbテレビで語った。難民としての地位がまだ認められていない入国者をそのまま他国に送り出すことは認められない、とブローク議員は述べ、「これは著しく連帯の精神に欠け、通過は簡単だからヨーロッパに来いと別の人々を誘うことにしかならない」と批判した。ブローク議員はまた、この問題では今後も「ストレスが続く」と予告した。

欧州議会の保守系議員団のマンフレート・ヴェーバー副議員団長(キリスト教社会同盟)もシェンゲン協定違反としてイタリアを非難した。欧州委員会は「このシェンゲン協定の精神に反する政策に終止符を打つよう」イタリアに圧力をかけねばならない、とヴェーバー副議員団長はバイエルン放送Bayerischer Rundfunkで要求した。

一方フランスは自国の政策がシェンゲン協定に則っていると考えており、当局は「一字一句厳密に」協定を遵守しているとゲアン内相は述べた。フランスは昨日の日曜日、イタリアの国境の町ヴェンティミーリアと南フランスのマントンの間の列車通行を数時間にわたって止め、チュニジア難民の入国を阻止した。きっかけは難民支援を訴えるおよそ200人の人権活動家の無許可デモであった。

原題:Kein Einlenken Frankreichs im Fluechtlingsstreit




ホームへ戻る