2014年4月23日(水)

ドイツとフランスはモルドバにEU接近を約束

ドイツ通信社(dpa)

ドイツとフランスは旧ソ連のモルドバ共和国に対し、さらなる欧州連合への接近を約束した。ドイツのフランク・ヴァルター・シュタインマイヤー外相(社会民主党SPD)とフランスのローレン・ファビウス外相は水曜日、モルドバの首都キシナウ(キシニョフ)を訪問し、今年の夏にもウクライナの隣国モルドバと連合協定を調印したいというEUの意向をあらためて伝えた。「モルドバ共和国はEUとのパートナーシップを当てにして良い」とシュタインマイヤー外相は語った。

併せてシュタインマイヤー外相とファビウス外相は、EUとその東の隣国モルドバのパートナーシップ協定がロシアに対抗するものでないことを強調した。「ウクライナでもモルドバでもグルジアでもこの東方パートナーシップは対決路線とは見なされていない」「私たちは西と東、欧州連合とロシアという地球戦略的な遊びに手を出すつもりはない」とシュタインマイヤー外相は語った。ファビウス外相も「私たちはヨーロッパ大陸に新たな障壁を築くつもりはない」と述べた。

中長期的なモルドバのEU加盟展望について、シュタインマイヤー外相は慎重な発言を行った。「この問いに対して答えるのは欧州連合の各国政府ではない」。どちらの道を歩むかはモルドバ自身が決めねばならない、と外相はこの地域におけるロシアの利害を踏まえて語った。

ロシアによるクリミア併合は、同じシナリオがモルドバからの離反を図っている東部の親ロシア派のトランスニストリア地域(沿ドニエストル共和国)でも繰り返されるのではないかという不安をモルドバ国内に呼び起こした。モルドバのイウリエ・レアンカ首相は、この紛争がウクライナ危機以降ではなく、すでに20年前から起きていることを指摘した。「私はこれ以上に情勢を悪化させるすべを知らない」「もう20年前から悪い状況が続いているのだ」とレアンカ首相は語った。

トランスニストリア紛争はソ連崩壊に遡る。ロシア系住民が支配的な人口およそ55万のこの地域は、1992年に流血の内戦を経てモルドバからの分離を果たした。しかし国際的には主権国家として認められていない。ロシアはこの細長い地域に約1500人の「平和維持部隊」を駐留させているが、モルドバはその撤退を求めている。

シュタインマイヤー外相とファビウス外相はこの日の晩にもグルジアを訪問する意向である。両外相は1月の会談で、共同の外遊などを通して独仏関係に新たな息吹を与えることを決めている。歴訪の最後は金曜日のチュニジア訪問である。チュニジアは「アラブの春」が始まった国と見なされている。両外相はその後引き続きパリで第一次大戦開始100周年の記念行事に出席する意向である。

原題:Deutschland und Frankreich versprechen Moldau Annaeherung an EU




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