2002年8月2日(金) 17:39
アンカラ(ドイツ通信社)
トルコ議会は金曜日、一部激しい論戦の末、平和時の死刑廃止を可決した。今後死刑制度は戦争時または戦争の直接の危険性がある場合に限定される。これによりトルコは加盟交渉の開始にあたりEUが求めている基本的な要求に応じたことになる。
テロ行為に対する死刑は終身刑に変更され、恩赦も認められない。非合法のクルド労働者党(PKK)のアブドラ・オジャラン前党首もこれにより恩恵を受ける可能性がある。トルコでは1984年以来死刑は執行されていない。
法律改正をオジャランに対する「恩赦」であると批判した民族主義的な「国民運動」(MHP)の抵抗を押し切る形で、256名の国会議員が死刑の廃止に賛成票を、また162名が反対票を投じた。表決に加わった419名のうち1名は棄権した。トルコは、平和時の死刑を厳しく非難した欧州会議の第6議定書に調印していない唯一の欧州会議加盟国である。
法律改正は包括的な改革法案の一部であり、これによりEU加盟候補国トルコは年末のコペンハーゲンEU首脳会議で加盟交渉開始のチャンスを拡大しようと考えている。クルド人とキリスト教系少数民族に対する一層の権利の承認と集会・結社の自由をおもな内容とするこの一括法案全体は、今晩表決に持ち込まれると予想されている。
月曜日から開かれている特別国会は開会にあたって、最終的表決を行う前に議会を解散しないことを決めている。死刑制度に関する決定は一連の法律改正の中で最も難しい事項と考えられていた。11月3日の前倒し選挙で大きな躍進が予想されているイスラム系のAK党も保留を通告していた。
原題:Tuerkei schafft Todesstrafe in Friedenszeiten ab