2002年8月4日(日)18:58
アンカラ(AP)
EU加盟の目標を見据えてトルコ議会は死刑廃止を決議し、また他の広範囲に及ぶ改革をも軌道に乗せた。これによりたとえば学校教育ならびにラジオ放送でのクルド語の使用が認められる。一連の改革法案は土曜日の晩から日曜日に及ぶ長く激しい議論の末、「国民運動」(MHP)の反対を押し切って可決された。同党の党首で副首相を務めるデフレット・バージェリ Devlet Bahceli は法的措置に訴えると通告した。
一方ビュレント・エジェヴィット首相は、私は法案の合法性にはいささかの疑問も抱いていない。改革法案の可決によりトルコは国際的な尊敬をかち得た。「もはや誰もトルコが(EUの)正式メンバーに相応しくないなどと言うことはできない」。「これでトルコは一層自由で民主的でヨーロッパ的になったのだ」、と語った。
日曜日の朝可決された一括法案では言論や集会の自由も拡大されている。またユダヤ人ならびにギリシャ系、アルメニア系キリスト教徒のような非イスラム少数民族も一層の権利を認められている。これに対し、過去に人権蹂躙の不法行為でたびたび非難を受けた警察は一層厳しい管理下に置かれることになった。
法案の決定は「国民運動」の強い抵抗にあった。バージェリ党首は改革法案を憲法裁判所に提訴すると通告した。決定は十分な考慮を経ておらずこの国の分裂を招く、と同党首は日曜日、民放NTVとのインタビューで述べた。
中道の議員らは、死刑の廃止と1200万以上のクルド人に対する権利拡大はEU加盟の目標にとって決定的な意義を有すると述べた。「トルコはEU加盟に向けて大きく前進した」とメスート・ユルマズ副首相は語った。イスマイル・ジェム前外相は国民に対して、11月3日の総選挙ではEU加盟に明確な賛意を表明するよう呼びかけた。
国際的にも今回の改革法案は等しく賛同を得た。欧州連合は「トルコにおける一層の人権と少数民族の権利擁護に向けた重要な進展」と歓迎し、改革の実現を注意深く見守ると伝えた。ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は土曜日、死刑制度の廃止と広範な法案改正はトルコとヨーロッパにとって良いシグナルである。ドイツ政府はトルコ政府が既定路線を断固として継続するものと期待する、と語った。
一括法案は死刑の代わりに終身刑を定めている。例外が認められるのは戦争時や戦争の危険がある場合に限られる。1984年以来トルコでは死刑が執行されていない。しかし「国民運動」は、死刑判決を受けたクルド労働者党(PKK)のアブドラ・オジャラン前党首に対してあくまでも死刑を執行するよう主張している。
原題:Tuerkisches Parlament schafft Todesstrafe ab - Dritte Zusammenfassung