2002年8月30日(金)17:27
(AFP)
コペンハーゲンのEU首脳会議を約3ヶ月後に控え、EU各国政府は最大で10ヶ国に及ぶ新規加盟国受け入れの条件整備でいまだ意見の一致を見ていない。とりわけEU予算のほぼ半分を占める農業政策の将来について加盟国は議論を戦わせている、と外交筋はヘルシンゲールでのEU外相協議の内容を伝えている。
外交筋によれば、フランスが農業政策の改革を2006年以降に先送りしたいのに対して、とりわけオランダは農業補助金制度の速やかな改革を求めているという。
多くの外相は農業改革とEU拡大を明確に結びつけることは避けたものの、EU農業政策の多額の助成金についてはできるだけ早く再協議を行う必要性があると何人かの外相が協議の中で強調したという。たとえばオランダのヤープ・デホープシェファー外相は、将来のEU加盟国の農家へのEU予算による段階的な助成は、他方で現在のEU農家への補助を削減した場合にのみ負担可能になると主張した。またスウェーデンなど他の国々も、少なくとも農業規則を根本的に見直す必要性は指摘したという。
すでに夏休み前に農業政策の抜本的な改革案を発表していた欧州委員会は、その見解を変える意向はない。したがって7月初めに提起された案にはほとんど変更を加えず、これを公式提案として9月に発表することになろう、とのギュンター・フェアホイゲン欧州委員の協議での発言を伝えている。今年度予算では農業部門には443億ユーロが計上されており、これはEUの全支出の約46%に相当する。
会議のホスト役であるデンマークのペア・スディー・メラー外相は、土曜日に各国外相に対して中東和平に向けた新たな提案を発表する意向である。デンマークの和平提案は、すでに来年パレスチナ暫定国家を樹立することを盛り込んでいる。国際刑事裁判所に関するアメリカとの論争ならびにアメリカ政府の対イラク攻撃の脅しについても、公式の議題には載っていないものの、あわせて議論されるものと外交筋は予測している。
原題:Agrarstreit belastet Diskussion um EU-Erweiterung