2002年8月30日(金)21:05

EU:トルコの改革を賞賛しつつも当面は加盟交渉を開始せず

ヘルシンゲール(ロイター)

最近のトルコの改革法案に対する欧州連合(EU)の好意的な反応にもかかわらず、同国には当面EU加盟交渉の開始期日設定の見込みが閉ざされた。トルコは期待以上にヨーロッパに近づいた。しかし肝心なのは改革法案の実行である、とEU拡大担当のギュンター・フェアホイゲン欧州委員は金曜日、デンマークのヘルシンゲールにけるEU外相会議を終えて語った。

ドイツのグンター・プロイグナー外務次官によれば、12月のコペンハーゲンでのEU首脳会議ではトルコの求める加盟交渉開始期日はおそらく明言されないであろう。EU加盟国は非現実的な設定を避けるとの意向で合意している、という。

トルコはEUと加盟交渉を行っていない唯一の加盟候補国である。EU諸国の見解ではトルコは欧州連合の自由と法治国家の基準を満たしていない。トルコは改革によってこの問題を一掃しようと試みた。キリスト教民主同盟・社会同盟のエトムント・シュトイバー首相候補は5月にトルコのEU加盟を拒否する発言を行った。ゲルハルト・シュレーダー首相は6月、トルコとの加盟交渉の開始期日をコペンハーゲン首脳会議で決めるのは時期尚早として反対した。

フェアホイゲン拡大担当委員は、重要なのはクルド語などの少数民族の言語を認め、死刑を広範に廃止すると定めた法律の実行である。EU側のシグナルはトルコを励ますものとなろうが、おそらくはいまだ法律の実施を結論的に評価したものにはなりえないであろう。ドイツの総選挙の行方はトルコの加盟準備状況に関する欧州委員会の判断にはなんら影響を与えないであろう、と述べた。

プロイグナー外務次官は、EUはトルコ国内の親ヨーロッパ勢力に対し11月の選挙前にも同国のヨーロッパ路線を支持する旨を明言するつもりである。12月のコペンハーゲン首脳会議では相応の声明が考えられる、と述べた。トルコとの「パートナーシップの強化」もありうる。またさらなる支援の可能性もないわけではない。「しかし第一にお金が問題というわけではない」、と同次官は語った。

原題:EU: Trotz Lob vorerst keine Beitrittsverhandlungen fuer Tuerkei




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