2005年8月6日(土)14:53

ドイツ野党連立政権はトルコのEU加盟に反対

フランクフルト・アム・マイン(AP)

トルコとのEU加盟交渉開始を2ヶ月後に控え、キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)の政治家はトルコのEU正式加盟に反対の姿勢を表明した。バイエルンの州首相を務めるエトムント・シュトイバーCSU党首は『パッサウアー・ノイエ・プレッセ』紙Passauer Neue Presseに対して、トルコはEUの正式加盟国になることはできない。EU加盟国のキプロスを承認せずにEU加盟を望むのは受け容れられない、と語った。一方、欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は、トルコとの間に確固たる取り決めがあると強調した。

シュトイバーCSU党首はトルコ政府のキプロス政策に対するフランス政府の批判を良いシグナルと評価した。「これでキリスト教民主同盟・社会同盟主導の政権とフランスの新路線の交渉が、従来とは別の方向に進む可能性が出てきた。」

FDPのヴォルフガング・ゲルハルト議員団長もトルコの正式加盟は今の時点では考えられないとの見解を表明した。「トルコとの交渉は、正式加盟に代わる代案を想定しながら、これまでよりずっと慎重に率直に進める必要がある」とベルリンの日刊紙『BZ』に語った。

FDPのギード・ヴェスターヴェレ党首は、トルコ政府がキプロスを承認しなければEU加盟交渉の開始を延期するよう求めた。「今の時点ではトルコは加盟資格に欠ける」。10月初めの加盟交渉開始までにトルコはキプロスを明確に承認しなければならない。加盟協議自体は結果を約束せずに行われねばならない、とヴェスターヴェレ党首は『ヴェルト日曜版』紙Welt am Sonntagに語った。

一方、欧州委員会のレーン拡大担当委員はトルコ政府との合意を破棄せぬよう強い調子で警告した。「私たちはあくまでフェアな姿勢を貫き、約束したことを守らねばならない。トルコがEUの厳しい条件を満たしたならば、私たちは加盟交渉を開始するつもりだ」。関税同盟拡大の協定に調印したことにより、トルコ政府は最後の要求を果たしたのだ。これに対し、キプロスの明確な承認は条件には含まれていない、とレーン委員は『ビルト日曜版』紙Bild am Sonntagに語った。

「私が強く勧告するとおりにEUの全加盟国が合意を守ったならば、加盟交渉は10月3日に開始できる」とフィンランド出身のレーン拡大担当委員は語った。レーン委員はドイツ出身のギュンター・フェアホイゲン前委員の後任である。「私たちは大きな責任を負っている。EUは安定した民主的で豊かなトルコを必要としている。これは私たちにとって戦略的重要性がある。EU加盟交渉はそのために決定的な貢献を果たす。この道のりは目標と同じくらい重要なのだ」、とレーン委員は主張した。

原題:Schwarz-gelbe Koalition gegen EU-Beitritt der Tuerkei




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