2014年8月4日(月)08:19

英国はEUの移民を必要とあらば拒否する意向

クレッグ副首相は経済格差を指摘

AFP

英国のニック・クレッグ副首相は、今後新規EU加盟国からの移民に対する入国制限を現行以上に強化する考えを表明した。今日予定されている演説の原稿によれば、新規加盟国の労働者および国民の完全な移動の自由に関して、現在適用されている最長7年の移行期間は不十分と考えられる。国によっては経済格差が大きいため、移行期間を追加的に延長できるようにすべきである、とクレッグ副首相は主張する。

これに加えて、移行期間終了後に望ましい数を超える移民が来る場合、英国政府は滞在承認を拒む権利も保有すべきである、と自由民主党所属のクレッグ副首相は述べる。「これは扉を閉ざすことではなく、英国に来る人々の流れを慎重かつ率直な方法で安定化するものだ」と先行発表の講演原稿には記されている。「ここに暮らすすべての人々が、新たな国がEUに加盟しても驚いたり恐れたりする心配がないと安心できることが必要である。」

現在、EU加盟候補国として承認されているのは、アルバニア、アイスランド、モンテネグロ、セルビア、トルコである。* しかしジャンクロード・ユンケル次期欧州委員長は先日、今後5年間のEU新規加盟の決定はないと保証している。

世論調査によれば、英国では2015年5月の議会選挙を控えて移民政策が有権者の最も関心の高いテーマとなっている。デイヴィッド・キャメロン首相は、現行の規定を選挙前にもさらに厳格なものに改めるよう求める党内保守強硬派の圧力を受けている。今年初めのブルガリアとルーマニアに対するEU労働市場の完全開放を受け、英国の連立与党は、貧困層が流入し、社会保障システムに大きな負担がかかると執拗に警鐘を鳴らしている。

欧州議会選挙の結果もさらに連立政権を圧迫している。右派大衆迎合党の英国独立党(UKIP)は5月の欧州議会選挙で英国最大の勢力となり、以来キャメロン首相率いる保守党と社会民主系の労働党を翻弄している。世論調査では2015年の議会選挙について、UKIPは労働党と保守党に続く第三党と予想されている。

原題:Grossbritannien will EU-Einwanderer notfalls abweisen
Vizepremier Clegg verweist auf wirtschaftliche Kluft

*訳注:原文には2005年12月に加盟候補国として承認されたマケドニア旧ユーゴスラヴィア共和国が欠落している。




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