2001年12月4日(火)21:55

EU加盟候補国は加盟により現加盟国の10倍も恩恵を受けるとの調査

ウィーン(ドイツ通信社 - AFX)

欧州連合(EU)の加盟候補国はEU加盟により、現加盟国のおよそ10倍もの経済的恩恵を得ると予測される。これはウィーン経済研究所(Wifo)の調査で明らかになったもの。加盟で最も恩恵を受けるのはハンガリーとポーランドで、加盟しない場合に較べて、2010年までの累積で8パーセントから9パーセントの成長率増となるという。これは年間の経済成長率に換算してちょうど1パーセント程度の増となる。

しかし差引勘定をすれば、EUの現加盟国も、加盟によってもたらされる成長率はずっと控え目であるとはいえ、利益を得ることになる、と同研究所は発表している。調査によれば、2010年までの平均で年間0,1パーセントの経済成長率の増加が見込まれるという。

ドイツとオーストリアが最も恩恵を受ける国

最も大きな恩恵を受けると推測されているのはドイツとオーストリアである。ドイツとオーストリアでは経済成長率の増加が年間0,15パーセントと予測され、EU平均よりも若干高い。モデル試算によれば、スペイン、ポルトガルおよびデンマークではコストが利益を上回ると推測される。同経済研究所によれば、「旧」加盟国の負担となるEU拡大の総コストは実質的に600億ユーロと算定されている。現在のEU加盟国の間では、実質的受益国は実質的負担国よりも負担が増えると予測されている。該当するのは、構造基金の受給国であるギリシャ、アイルランド、ポルトガルおよびスペインである。

原題:EU-Kandidaten profitieren laut Studie vom Beitritt zehn Mal staerker