2001年12月4日(火)19:27

新たなキプロス交渉が1月に開始

ニコシア(ロイター)

地中海の島国キプロスの分断問題を解決するために、来年1月からギリシャ系とトルコ系キプロスの代表者の間で直接交渉が開始されることになった。これはキプロスのグラフコス・クレリデス大統領と、トルコ系キプロスの指導者ラウフ・デンクタシュが火曜日に会談を行って合意したもの。両者の会談は4年ぶりであった。トルコ系キプロスは1983年に分離し、共和国として独立を宣言した。キプロスの分断は、キプロス共和国の欧州連合(EU)加盟およびトルコのEU加盟に向けた努力にとって、大きな障害となる恐れがあった。

およそ1時間に及ぶ両者の会談は、キプロスの国連代表部(UNO)において行われた。「協議は2002年の1月中旬にキプロスの国連施設において開催されることになろう」。一切の前提条件を設けず、あらゆる問題が討議される、とアルヴァーロ・デソト国連代表は会談を終えて語った。クレリデス大統領はこれまで、協議はキプロスで行わないと頑なに主張してきた。一方デンクタシュは、協議を始める前に、北キプロストルコ共和国の大統領として承認するよう求めていた。両者の間では、2000年夏に国連代表の仲介により間接的な話し合いを行ったのを最後に、協議が途絶えていた。

欧州委員会はこの合意を歓迎する声明を発表した。二人の政治家が会談し、再度会談する意思を表明したことは喜ばしい、と同委員会の広報官は語った。「我々の望みうる最高の成果である」と西側の外交官はキプロスで述べた。EUは分断問題の解決を、公式的には島全体を代表するキプロス共和国の2004年に予定されているEU加盟の条件にしないとしている。しかしトルコは、もしキプロスが分断問題を解決しないまま加盟したならば、北キプロスをトルコに併合すると威嚇している。他方、EU加盟国であるギリシャは、キプロスのEU加盟が遅れるようなことになれば、EU拡大全体を阻止すると威嚇している。

ギリシャとトルコの両国政府も肯定的な反応を示した。これにより打開の道が開かれるとギリシャのコスタス・シミティス首相は語った。トルコのビュレント・エジェビット首相も、この協議で「いくつか扉を開く」ことができようと述べた。キプロスの将来の国家については依然双方で見解が分かれている。ギリシャ系のキプロス政府は二つの州Kantonen から成る連邦国家 Bundesstaatを考えている。一方デンクタシュは二つの独立した国家 Staaten の連合 Bund を要求している。

トルコは北キプロスを独立国家と承認している唯一の国である。当時のギリシャ軍事政権の支援を得て勃発した反乱を契機に、トルコ軍は1974年に北キプロスに進攻した。

原題:Neue Zypern-Verhandlungen beginnen im Januar