2001年12月19日 14:07
ブリュッセル(AP)
トルコは公式的には13の欧州連合加盟候補国の一つである。しかし、他の10の東欧諸国ならびにマルタ、キプロスと異なり、いまだ加盟協議は開始されていない。欧州連合の消息筋も近い将来に協議が始まることはないと見ている。経済的な立ち遅れに加え、とりわけ同国の政治的状況が障害になっているからである。EUが問題視しているのは死刑制度と依然続く人権侵害である。
EU各国の首脳は先週のラーケン首脳会議でトルコに対し「政治的加盟条件の達成に向けて進展があった」と認めた。各国首脳が指すのは10月初めにトルコ議会が可決した憲法改正である。この改正により、死刑の適用はテロ行為と国家反逆罪に限定され、原則的にクルド語のラジオ放送も許可されることになる。これによりトルコとの加盟協議開始の展望がいよいよ開けてきた、とラーケン宣言では記されている。勿論具体的なスケジュールには触れられていない。
同時にEU首脳会議はトルコに対し、「経済的ならびに政治的な加盟基準の達成に向けて、とりわけ人権問題の改善に引き続き努める」よう促している。トルコが依然ヨーロッパの理解する民主主義と法治国家と大きくかけ離れていることは、たびたび明らかになっている。ようやく12月中旬になってルストゥ・カジム・ユジェレン内相は自ら、過去6年間に67人が警察の拘置中に死亡した事実を公表した。
逆に人権保護団体はトルコの状況が悪化していることが確認されたと主張している。不偏不党の人権保護協会の11月の報告によれば、今年の1月から9月まで警察の拘置に関するものだけで762人が拷問を受けたという。これは前年度比で50パーセントの増加であるという。
1993年のコペンハーゲンにおけるEU首脳会議で各国首脳は、欧州連合加盟のために達成せねばならない3つの基本的な基準を掲げた。第一は、候補国が人権を尊重し少数民族を保護する安定した民主主義国家であることである。第二の基準は機能する市場経済の存在である。最後の基準は、候補国がEU法を遵守できる状況にあることである。
加盟協議が最も進展しているのはキプロス、マルタ、ハンガリー、チェコ、スロヴェニア、ポーランド、スロヴァキア、エストニア、ラトヴィアおよびリトアニアである。現在の情勢ではこれらの国々との加盟協議は来年末には完了し、2004年から加盟が実現可能とされている。ブルガリアとルーマニアはこの第一陣には含まれていない。
トルコに関してはさらにキプロス加盟をめぐる軋轢がある。EUは基本的に分断されたキプロスを加盟国として受け入れる意向である。これに対してすでにトルコ政府は厳しく非難しており、仮に島の南半分を占めるキプロス共和国が単独でEUに加盟する事態になれば、トルコが占領する北キプロスを併合することも辞さないと警告している。一方、EU加盟国であるギリシャは南部のギリシャ系キプロス共和国の一刻も早い加盟を主張しており、これが実現しない場合は他の加盟候補国のEU加盟を阻止すると警告している。
原題:Weiter Weg fuer die Tuerkei in die EU
Beitrittsverhandlungen noch nicht aufgenommen - Union dringt auf Fortschritte bei Menschenrechten