2002年12月7日(土)16:30

ラスムッセンEU議長:「首脳会議ではトルコに加盟交渉開始期日を明言せず」

ベルリン(ロイター)

EU議長を務めるデンマークのアンデルス・フォグ・ラスムッセン首相の発言によれば、来るコペンハーゲンのEU首脳会議ではトルコに対して加盟交渉開始の期日が発表されることはないという。

ラスムッセン首相は『ヴェルト・アム・ゾンターク』紙(ヴェルト日曜版)のインタビューで、「コペンハーゲンでは期日設定は行われない」と発言した。さらに首相は、議長国デンマークはトルコの発表した諸改革について実施スケジュールを提示するよう同国に求めたと述べ、「このタイムスケジュールは期日決定やとりわけ期日の性質に関する最終決定にとって重要な判断材料になろう」と語った。私はこの件に関し5つの案を持っており、現在各国首脳と協議している最中である。その結論を受けて、今週末の首脳会議で提案する内容を決定するつもりである、とラスムッセン首相は述べた。

ドイツとフランスは「期日のための期日設定」という案を支持し、これを首脳会議で共同提案する意向である。この案では、2004年前半に欧州委員会の報告書に基づいて、トルコが加盟の条件を満たしているか否かを審査する。加盟交渉の開始はその後の2005年7月1日となる。専門筋は加盟交渉には少なくとも10年間は必要と見ている。先のトルコ議会選挙で勝利したエルドアン党首は、独仏案を拒絶し、来年にも交渉を開始するよう求めている。

キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)はトルコのEU加盟に断固反対

一方キリスト教民主同盟・社会同盟の指導的政治家は、トルコのEU加盟に対して反対の姿勢を強調した。バイエルンの州首相でキリスト教社会同盟党首のエトムント・シュトイバーはニュース雑誌『シュピーゲル』に対して、「統合能力を超えるトルコのEU加盟は、欧州の政治的連合体の終焉を意味する」。キリスト教民主同盟・社会同盟は単なる自由貿易圏に留まらない真の政治的連合体を求める。「しかしトルコを受け入れれば、EUは単なる自由貿易圏になってしまうのである」。キリスト教民主同盟のラウレンツ・マイヤー幹事長も同様の発言を行った。幹事長は「トルコを受け入れればEU内の異分子となる」と『ライン・ツァイトゥング』(ライン新聞)に語った。シュトイバー州首相は断固たる拒否の理由として、とりわけトルコが欧州の価値共同体に属さないことを挙げた。

EU予算担当のミヒャエレ・シュライヤー欧州委員と社会民主党(SPD)議員団のゲルノート・エルラー副団長はこの論拠を近視眼的として退けた。シュライヤー委員は『ビルト・アム・ゾンターク』紙(ビルト日曜版)に対して、他の国々がEU加盟を目指すことは基本的に良いことである。「これはそうした国々が私たちの価値観や法律を受け入れる用意があることを意味する」と述べた。エルラー副団長は『ライニッシェ・ポスト』紙に、「将来EUに加盟するトルコは、今日のトルコとは別のトルコである」と語った。

原題: EU-Ratsvorsitz: Gipfel wird Tuerkei kein Datum nennen




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