2002年12月9日(月)15:57

EU拡大交渉は足踏み

ブリュッセル(AP)

拡大を決定するEU首脳会議を3日後に控えて、加盟候補国との最終交渉は足踏み状態である。これは月曜日のブリュッセルにおけるEU議長国デンマークと欧州委員会による10ヶ国の加盟候補国との協議で明らかになった。ヴィシェグラード諸国のポーランド、チェコ、ハンガリー、スロヴァキアはEUに対して独自の提案を行い、補助金の移行期間の短縮と増額を求めた。

ポーランドのヴロジミエシュ・チモチェヴィッチ外相は、木曜と金曜のコペンハーゲン首脳会議の成功には「双方の善意と柔軟性」が求められると述べた。10月末のブリュッセル首脳会議でEU諸国は2004年から2006年の拡大予算について393億ユーロの財政案で合意している。とりわけドイツはこれを今後とも交渉の基盤とするよう主張している。

この案では2007年にはEU農業予算の増加が凍結される。新規加盟国の農家に対する直接補助金は段階的に引き上げられ、2013年に平等化される予定である。しかし加盟候補諸国はこの計画を少な過ぎるとして拒絶している。これを受けて議長国デンマークはブリュッセルの妥協案を約26億ユーロ上回る新たな財政案を提案したが、今のところ承諾したのはキプロスのみである。

ヴィシェグラード諸国はデンマーク案をも拒絶している。ハンガリーのラスロ・コヴァーチ外相の述べるところによれば、補助金の一層の増額と平等化までの移行期間の短縮を求めている。チモチェヴィッチ外相は難しい交渉になると述べた。チェコのシリル・スヴォボダ副首相兼外相もデンマーク案を不充分として拒絶した。とりわけEUの課した農業分野の比率がチェコにとっては問題があるという。

コペンハーゲン首脳会議では拡大交渉が完了することになっている。EU各国外相は火曜日にあらためて現状について協議する意向である。デンマークのペール・スディー・メラー外相は先週金曜日、加盟諸国に対して過度の要求を戒める発言を行っている。

EU各国首脳はまた、トルコとの今後の加盟交渉についても決定を行う意向である。独仏両国の提案では、2004年の前半にトルコの改革状況について再度協議し、その後2005年7月1日の加盟交渉開始を決定することになる。

しかしデンマークのアンデルス・フォグ・ラスムッセン首相は交渉開始期日の明言を拒否している。一方トルコもすでに独仏提案を拒絶した。ラスムッセン首相は月曜日コペンハーゲンで、トルコは決定した改革法案を実行に移す必要があると述べた。この改革法案にはクルド人の同権や死刑の廃止などが含まれている。

トルコの政権党のエルドアン党首は、コペンハーゲンでのラスムッセン首相との会談を終えた後、EUのダブルスタンダードを非難し、たとえばラトヴィアではいまだEUの求める少数民族の保護が実施されていないと述べた。「ラトヴィアには100万人のロシア人がいるが、彼らは国籍のない人々のような取り扱いを受けている。」ラトヴィアは2004年5月に加盟が予定されている10ヶ国のうちの1つである。

原題:Verhandlungen zur EU-Erweiterung treten auf der Stelle




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