2002年12月9日(月)22:55
マインツ(AP)
ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相は、トルコの欧州連合統合に対する懸念の払拭に努めた。トルコのEU加盟が現実の話となるのは10年から15年先のことである、と外相は月曜の晩ドイツ第二放送(ZDF)の番組『ホイテ・ジュルナール』heute-journal で述べた。「欧州と共存できるトルコはもはや私たちの今日知っているトルコではなくなる。今日抱く不安の多くはその段階では存在しなくなるであろう。」
緑の党所属のフィッシャー外相は、トルコが加盟すれば国民の大半を占めるイスラム教徒がEU市民となるという事実を踏まえて、EU加盟は国家、経済、社会についての共通の価値観の問題であって、宗教の問題ではない、と説いた。さらに外相は、EU加盟はトルコに安定と経済発展および社会改革をもたらす。これにより多くのトルコ国民は国外移住の必要性に迫られなくなるであろう、と述べた。
フィッシャー外相は、2004年の前半にEUがトルコの改革の進捗状況についてあらためて協議し、しかる後に2005年7月1日の加盟交渉開始を決定するという独仏案を「良い提案」であると評した。これは2005年にただちに加盟が実現することを意味するものではない。加盟実現までには幾年もかかるであろう、と外相は語った。
原題:Fischer tritt Aengsten vor tuerkischem EU-Beitritt entgegen