2002年12月10日(火)17:50

EU拡大の財政案をめぐる論争は首脳会議に持ち越し

ブリュッセル(AFP)

EUは拡大の財政案をめぐる論争をひとまず先送りした。ドイツのヨシュカ・フィッシャー外相(緑の党)はブリュッセルで、論議を呼んでいる農業および財政問題は来るコペンハーゲン首脳会議で協議されることになる。金曜日までに首脳会議で妥協がはかられる必要がある、と語った。とりわけポーランドが自国の農家に対する補助金の上積みを求めている。一方、トルコとの加盟交渉開始に関する独仏のタイムスケジュールは、フィッシャー外相によれば、EU諸国の広範な同意を得たという。

フィッシャー外相は、拡大の予算枠に関しては10月のEU首脳会議の合意が適用されると強調し、それを上回る加盟国への提案は取り決められていないと述べた。「お金に関する問題はすべて、各国首脳自らが財務大臣の同席のもとで議論する」。その席で「手許にないお金とEU拡大という歴史的課題との間の妥協」をはからねばならない、と外相は主張した。

ポーランドのレシェク・ミレル首相は、同国はEU加盟に向け「最善の条件」を勝ち取ると強調した。欧州委員会のプローディ委員長は、財政援助の上積みに関して真っ向から意見が対立している状況を踏まえて、「若干の上積みが合意に必要ならば、なぜわれわれは東欧諸国にそれを認めてやらないのか?」と発言した。EU議長を務めるデンマークのフォグ・ラスムッセン首相は「EUにはこれ以上お金がないのだ」と述べて、この提案を退けた。

外交筋によれば、ポーランドのほかにマルタなども財政援助の増額を求めている。EU議長国デンマークは差し当たりキプロス、スロヴァキア、エストニアとのみ相互交渉を完了した。スロヴァキアも今晩協議が完了したと発表した。

トルコの加盟に関し、2005年夏以降の交渉開始を2004年末に決定するという提案は、フィッシャー外相によれば「圧倒的多数」のEU加盟国が協議の土台になると考えているという。一方トルコのアブドラ・ギュル首相はあらためて交渉開始期日の決定を要求し、トルコはEU内で「相応しい位置」を占めたいと考えていると述べた。欧州理事会はトルコの改革プロセスの進展を称賛した。

原題:Streit um Finanzierung der EU-Erweiterung vertagt




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