2002年12月13日(金)23:01

EUは史上最大の拡大を決定

コペンハーゲン(AP)

欧州連合はその歴史上最大規模の拡大を確定した。EU各国首脳は金曜日の晩コペンハーゲン首脳会議において、粘り強い交渉の末、10の加盟候補国との交渉を完了した。「われわれの新たな欧州が生まれた」とEU議長を務めるデンマークのアンデルス・フォグ・ラスムッセン首相は述べた。「これは自由と民主主義の勝利である。」

ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は「歴史的な一日」と語った。候補10ヶ国のしんがりとして、ポーランド、ハンガリー、チェコが総額408億ユーロの補助金案に合意した。この額は10月末のブリュッセル首脳会議で決定された拡大予算をおよそ20億ユーロ上回るものである。「こうするより他に仕方がなかった」とシュレーダー首相は述べたが、一方でこの額が1999年にベルリンで決定された上限を18億ユーロ下回ることも強調した。

ポーランド、ハンガリー、チェコの他に、エストニア、ラトヴィア、リトアニア、スロヴァキア、スロヴェニア、マルタ、キプロスも2004年5月1日にEUに加盟する予定である。「7500万人の人々が欧州連合の新たな市民として迎えられる」と宣言では謳われてている。シュレーダー首相は、EU拡大の次には今度は深化が続かねばならないと述べ、「拡大後の欧州は政治的に機能するものでなくてはならない」と主張した。

とりわけポーランドは最後までEUからさらなる財政譲歩を引き出そうと格闘した。外交筋の伝えるところによれば、ポーランドはEUから追加的に1億3300万ユーロを獲得し、そのうち1億800万ユーロをEU国境の防備に充てることになった。シュレーダー首相は、何と言ってもポーランドは加盟後に最長のEU東国境を抱えることになるのだと述べて、この追加的譲歩を弁明した。

すでに午後の時点でシュレーダー首相はポーランド抜きの拡大の可能性を否定した。「ポーランド抜きの拡大ラウンドは私にはどのみち考えられない」。「ポーランドの責任者にとってもそのような事態は想定できないものと確信している」と語っていた。

EUはトルコに対しても加盟交渉開始の道を一歩開いた。2004年12月に加盟のための政治的・経済的基準が達成されたならば、加盟交渉は「いささかの遅滞もなく」開始されると決定された。この文言でEU各国首脳は金曜日の晩コペンハーゲン首脳会議の席で合意に至った。

当初の文言では、欧州理事会は2004年末にトルコが交渉開始の基準を満たしているかどうかを判断し、しかる後「欧州連合はトルコとの加盟交渉を開始する」としか述べられていなかった。交渉開始の明確な期日を求めていたトルコ政府はこの文言を拒絶した。

外交筋の情報によれば、トルコはさらなるEU側の譲歩の見返りとして、来年2月28日までにキプロス問題の解決をはかる用意がある旨を明言した。これに加えてNATO理事会は今晩ブリュッセルで、トルコが長年阻止してきた、緊急部隊の編成にあたってはNATOの組織を利用させてほしいとのEUの請願に承諾を与えた。

シュレーダー首相は、トルコの指導部は加盟展望に関するEUの提案と「和解」したと述べて、これを歓迎した。キプロス問題の解決もこれで「良い方向に向った」と首相は語った。

原題:EU besiegelt groesste Erweiterung ihrer Geschichte




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