2004年12月8日(水)15:45

トルコは再統一前のキプロス共和国の承認を拒否

アンカラ(AP)

トルコのアブドラ・ギュル外相は水曜日、キプロス島の再統一の前にキプロス共和国を承認することを断固拒否した。再統一問題で「解決に至らないまま、トルコがギリシャ系キプロスの行政地区を承認することはありえない」とギュル外相はキプロス共和国に関して述べた。キプロス共和国は国際的に承認されており、5月以来EUに加盟している。すでにキプロス共和国のタッソ・パパドプロス大統領は、トルコがキプロス共和国の承認を拒むなら、拒否権を行使することもあると警告している。

ギュル外相の発言は、来週のEU首脳会議前にキプロス共和国承認に向けた一歩を踏み出すようにとの欧州連合側の要求を明確に退けたものである。首脳会議ではEU各国首脳がトルコとのEU加盟交渉開始の是非について決定を行なう予定である。

トルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相は、水曜日に発表されたイタリアの『ラ・スタンパ』紙La Stampa のインタビューで、トルコはEUの求めるすべての前提条件を満たしたと強調し、「今になってさらなる条件をつけるのは容認できない」と語った。

しかしキプロス共和国の姿勢はギリシャや他のEU加盟国も支持している。ギリシャのコスタス・カラマンリス首相と、現在EU議長を務めるオランダのヤン・ペーター・バルケネンデ首相は、火曜日にアテネで会談を行なった。会談後ギリシャ外務省の広報官は「加盟候補国が欧州連合の加盟国を承認しないということになれば、異常な事態だ」と述べた。オランダのテレビは、EUはトルコに対し南のギリシャ系キプロス(=キプロス共和国。訳注)を承認するよう望んでいる。現在の状況は受け容れがたい、とのバルケネンデEU議長の発言を報じた。

地中海の島キプロスは1974年のトルコ軍の侵攻以来、分断が続いている。住民投票で再統一が否決されたため、5月には南のギリシャ系キプロスのみがEUに加盟した。

原題:Tuerkei lehnt Anerkennung Zyperns vor Wiedervereinigung ab




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