2004年12月15日(水)21:44

欧州議会はトルコとの加盟協議開始を支持

ストラスブール/ハーグ(AFP)

感情的な議論の末、欧州議会は圧倒的多数でトルコとの加盟交渉開始を支持した。交渉は「直ちに」開始すべきであると欧州議会は要求した。しかし議会は承認を数多くの条件と結びつけた。この日の晩、フランスのジャック・シラク大統領も特定の条件を課した上でトルコの加盟を支持することを表明した。

ストラスブールの欧州議会は賛成407名、反対262名、棄権29名で加盟交渉を承認した。正式加盟の代わりに「特権的パートナーシップ」を提供すべきとした、ドイツのキリスト教民主同盟とフランスの与党UMPの代表による共同提案は、大多数の反対で否決された。

欧州議会は欧州委員会の挙げた条件*)に加えていくつかの条件を付け加えた。たとえば1915年のアルメニア人の大量虐殺を認めるようトルコに求めている。また、トルコ政府は引き続き人権状況を改善し、拷問を断固撲滅し、クルド人や宗教的マイノリティーの権利を守る必要があると要求している。

欧州委員会と同様、欧州議会も労働者の移動の自由と農業補助金および構造補助金に関して制約を求めている。原則的に「EUの受け容れ能力」がトルコ加盟の主要前提条件となる、と欧州議会は述べている。

EU議長を務めるオランダの政府筋の伝えるところによれば、トルコ政府はキプロスを事実上承認する意向であるという。トルコは1974年以来北キプロスを軍事占領しており、北キプロス・トルコ共和国を唯一公式に承認している国である。しかし南のギリシャ系のキプロス共和国は承認していない。

木曜日にブリュッセルで始まるEU首脳会議で、加盟国首脳はトルコとの加盟交渉開始の是非ならびにその時期を決定する意向である。EU議長を務めるオランダのヤン・ペーター・バルケネンデ首相は、私は「賛成」が得られるものと考えていると述べた。

シラク大統領はフランスのテレビTF1で、トルコはまず人権の分野でも経済の分野でもEUの共同成果のレベルに追いつかねばならないと語り、加盟交渉は10年、15年あるいは20年かかるかもしれないという見解を表明した。

原題:EU-Parlament fuer Beitrittsgespraeche mit Tuerkei

*)訳注:「欧州委員会の挙げた条件」とは10月6日の欧州委員会の勧告を指す(同日のニュースを参照)。
なお、欧州委員会の勧告も今回の欧州議会の決議もEU首脳会議の決定に拘束力を持つものではない。




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