2004年12月17日(金)19:47

トルコはヨーロッパへの扉を押し開ける

ブリュッセル(AP)

40年間待ち続けた後、トルコは欧州連合加盟への扉を大きく開いた。EU各国首脳は金曜日、加盟交渉を2005年10月3日に開始することでトルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相と合意した。引き換えにトルコはEU加盟国のキプロス共和国を加盟交渉開始までに承認することを約束した。オーストリアはトルコの加盟を国民投票にかける意向を表明した。

EU議長を務めるオランダのヤン・ペーター・バルケネンデ首相は、「今日私たちは新たな歴史を記した」と語った。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相は「満足できる解決」と語り、交渉の目標はトルコのEU加盟であると述べた。加盟交渉の期日についてEU各国首脳は木曜日の夜遅くに合意に達していた。しかしエルドアン首相は木曜から金曜にかけての夜、加盟交渉開始の提案を拒否した。EUがキプロスの即時承認を求めたからである。

キプロスのタッソス・パパドプロス大統領はトルコが承認しなければ、トルコの加盟交渉に関する決議すべてに拒否権を行使すると警告した。バルケネンデ議長は金曜日の朝、個別協議で交渉を続けた。その結果、新規加盟10ヶ国に拡大したEUとの関税協定にトルコが調印しなおすことにより、事実上キプロスを承認する運びとなった。キプロスは新規10ヶ国に含まれるため、これは承認に等しいという。

しかしエルドアン首相は記者会見の席で、この協定の調印はキプロスの承認を意味するものではないと述べた。だがキプロス問題の妥協はトルコの利益にかなう「重要な進展」と発言した。

キプロスは1974年以来分断されており、北キプロスには40,000人のトルコ軍が駐留している。3月に行なわれた住民投票では、国連の再統一案についてトルコ系の北キプロスは賛成したものの、ギリシャ系の南キプロス(キプロス共和国)は否決した。

万一トルコが改革路線から外れることがあれば、加盟交渉は中止できるとされている。中止の決定は、欧州委員会の動議またはEU加盟国の三分の一で提案が認められ、閣僚理事会の特定多数決で決定に至る。交渉は加盟を目標とするが、加盟の保証は与えられない。

首脳会議の決定によれば、もしトルコが加盟できないことが明らかになった場合は、EU諸機構と密接な関係を結ぶことが保証される。トルコ加盟の場合にはEUは例外規定と永続的保護条項の可能性を保持する。これはとりわけ労働者の移動の自由ならびに巨額の農業補助金や構造改革基金の支給に適用される。

オーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相はトルコの加盟前に国民投票を行なうことを明らかにした。シュッセル首相はEU各国首脳の中でトルコ加盟批判派の急先鋒と見なされている。フランスのジャック・シラク大統領もトルコ加盟を国民投票にかけることを発表した。大統領は金曜日、トルコは加盟交渉において20世紀初頭のアルメニア人に対する大量虐殺を認める必要があると要求し、さもなければフランスは国民投票でトルコのEU加盟を否決するだろうと警告した。

EU首脳会議はこのほかに、クロアチアとの加盟交渉を2005年3月17日に開始することも決定した。しかしその前提条件として、クロアチアが旧ユーゴスラヴィアの戦争犯罪の問題でハーグの国連戦犯法廷と全面的に協力することを求め、加盟交渉を開始する前にこの問題で保証が必要としている。

原題:Tuerkei stoesst Tuer nach Europa auf




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