2005年12月8日（木）17：06
ベオグラード（AFP）
国連のカルラ・デルポンテ主任検察官は、4年間の逃亡生活を続けていたクロアチアのアンテ・ゴトヴィナ元将軍がカナリア諸島で逮捕されたと発表した。元将軍は戦争犯罪の廉でハーグのユーゴ国連戦犯法廷から起訴されている。将軍の身柄はできるだけ速やかにハーグに送られることになる。ゴトヴィナ将軍の問題はクロアチアの欧州連合加盟を阻害し、加盟交渉開始の延期を招いていた。
スペインの司法当局によれば、ゴトヴィナ元将軍はテネリファのホテルで逮捕されたという。現在50歳の元将軍は、2001年に国連戦犯法廷から起訴されて以来、地下に潜伏していた。元将軍は対セルビア戦争における戦争犯罪の容疑がかかっている。1995年8月ゴトヴィナ将軍の率いるクロアチア部隊は、それまでセルビアが支配していたクライナを奪還した。この「嵐作戦」の中でセルビアの民間人150人を殺害した責任が問われている。
国連戦犯法廷が発表した起訴状では、政治的、人種的、宗教的理由による迫害、殺人、故郷追放、略奪、戦争法違反が問われている。フランスの外人部隊からクロアチア軍の将軍にのぼりつめたゴトヴィナ元将軍は、今なお数多くのクロアチア国民から英雄視され、クロアチア独立の象徴として崇拝を受けている。
この問題は今年3月、クロアチアのEU加盟交渉の開始が延期される事態を招いた。当時デルポンテ主任検察官は国連戦犯法廷との協力が不十分であるとクロアチアを非難した。加盟交渉は、クロアチア政府が「数週間前から」法廷に全面的に協力しているとデルポンテ主任検察官が保証したのを受け、この10月初めにようやく開始の運びとなった。
欧州委員会のオリ・レーン拡大担当委員は、ゴトヴィナ元将軍の逮捕について「たいへん良い報せ」と歓迎した。NATOのヤープ・デホープシェッファー事務局長も歓迎を表明したが、その一方で戦犯容疑者のラドヴァン・カラジッチとラトコ・ムラジッチが依然逮捕されていないことを指摘した。
スペインでのゴトヴィナ元将軍の逮捕はクロアチアの信頼性を証明するものだ。クロアチア政府は元将軍が国内にいないと強調したが、これは真実を述べていたのだ、とクロアチアのイーヴォ・サナーデル首相は述べた。
原題：Mutmasslicher kroatischer Kriegsverbrecher gefasst