2006年12月5日(火) 18:41

シェンゲン協定圏の拡大は早ければ2007年末

ブリュッセル/ベルン(AP)

2007年の大晦日、新規EU加盟国の国民は初めてパスポート検査なしに西欧に足を踏み入れることが認められる。EU加盟国は火曜日ブリュッセルで内相理事会を開き、来年12月31日にシェンゲン協定圏を2004年加盟の国々に拡大することに賛成した。スイスのブロッハー法相も理事会に出席した。

シェンゲン圏拡大の条件は、新規EU加盟国が2007年6月末までにシェンゲン情報システム(SIS)を導入し、EUの外の国境における検査を厳格に行なうことである。「半年間の試行期間が必要である」。EU内の最終的な国境検査廃止の決定はそれからであり、「自動的に国境検査廃止に至るわけではない」、とドイツのヴォルフガング・ショイブレ内相は強調した。空の交通に関しては、早ければ2008年3月にパスポート検査が縮小される。

こうした制限にもかかわらず、チェコのイヴァン・ランガー内相は妥協案に満足の意向を示した。「これは欧州がもはや二つの階級に分かたれないことを示すものだ」と内相は記者会見の席で述べた。欧州委員会のフランコ・フラティーニ内務担当委員は、私たちが目指すこの国境開放は2004年のEU拡大の総仕上げである。「拡大は旅行の自由がなければ完全とは言えない」、と語った。

当初新規加盟国に対しては2007年秋のシェンゲン圏拡大が認められていた。しかしシェンゲン圏拡大と同時に、国境を管理する所轄庁のデータ交換の情報システムをEU全体で更新する必要が生じたため、タイムスケジュールの変更を余儀なくされた。生体情報なども含むシェンゲン情報システムU(SISU)の導入には、技術的に相当の問題がある。旧加盟国でさえもSISUの運用は早くても2008年6月になると予想される。したがって東欧に対するEU内国境の開放は2009年までずれ込む恐れもあった。

クリストフ・ブロッハー法相率いるスイスの代表団はSISUの導入の遅れに遺憾の意を表明した、とスイス司法警察局(EJPD)は伝えた。スイスは今後ともSISUとの連結の方を希望する。スイスは捜査情報バンクの2008年秋の運用開始を目指し、準備作業のタイムスケジュールを組んでいる。連邦内閣は2007年夏にスイスも暫定的解決策の実施に加わるか否かを決定するつもりだ。この時点になれば、おそらくSISUの最終的実施計画が提示されていることだろう、と司法警察局は発表した。

今回決定された現行のSISTの拡大は暫定的解決策である。この計画もイギリスとアイルランドがシステム拡充のコストの負担を拒んだため、危うく頓挫するところであった。両国はシェンゲン協定に加盟していないが、SISを通して交換されるデータの恩恵を受けている。拡充コストは総額で約350万ユーロと比較的小額で済んだため、両国の負担金は免除された。

さらにフラティーニEU内務委員は、「子供の権利を守るフォーラム」を創設すると発表した。これはとりわけ、暴力的なコンピュータゲームやビデオゲームから子供をさらに有効に守るものである。これより前、バイエルン州のベックシュタイン内相は、暴力を賛美するコンピュータゲームの販売を禁止するようあらためて主張した。

原題:Ausweitung des Schengen-Raums fruehestens Ende 2007




トップへ戻る