2006年12月5日(火)17:03

ドイツとフランスはトルコに対し間接的にキプロス問題譲歩の期限を設定

メットラッハ/ブリュッセル(AP)

ドイツとフランスはトルコに対し、キプロス問題での譲歩を求めるべく、新たな期限を設定した。ドイツのアンゲラ・メルケル首相とフランスのジャック・シラク大統領は火曜日、ドイツのザールラント州で開かれた定期会合で、欧州委員会はキプロス問題でのトルコの態度に関し2009年春の欧州議会選挙までに報告書を発表すべきだと求めた。報告書は来年秋のトルコの議会選挙前に発表すべきではないとメルケル首相は述べた。

この欧州委員会の報告書に基づき、EU各国首脳が今後のトルコ政府との交渉のあり方について決定を行なうことになる、とメルケル首相はメットラッハで行なわれたシラク大統領とポーランドのレフ・カチンスキ大統領との会合で語った。シラク大統領は、メルケル首相の提案に全面的に賛同すると述べた。

トルコ政府がキプロスの船舶や航空機のトルコ入国を拒んでいるため、EUは来週にもトルコとの加盟交渉を一部中止するものと予想されている。メルケル首相もEU議長のマッティ・ヴァンハネン首相も火曜日、欧州委員会の加盟交渉一部中止の提案について、来週開かれるEU外相理事会および首脳会議の「協議のための良い叩き台」と評した。

しかしメルケル首相はさらに、欧州委員会は2007年秋のトルコの議会選挙と2009年春の欧州議会選挙の間に、トルコ政府がキプロス問題で進展を見せたかをあらためて評価すべきだと要求した。ウルリッヒ・ヴィルヘルム政府広報官によれば、ドイツとフランスはこの提案によりキプロス問題が来週のEU首脳会議後に忘却されるのを防ぐ意向であるという。

キプロス政府はメルケル首相の提案を歓迎した。「私たちは、トルコに明確な期限を設けて義務の履行を迫るというこの提案を全面的に支持する」とクリストドウルス・パシアルディス政府広報官は述べた。ギリシャのドーラ・バコヤンニス外相は月曜日の時点で、この問題でのトルコの姿勢を18ヶ月後に再検討するという案*)に賛意を表明している。

しかしメルケル首相は、「私たちは最終期限を設けるつもりはない」。またこれは加盟条件の厳格化などでもない、と強調した。

一方トルコのレチェプ・タイップ・エルドアン首相は、我が国を加盟協議から締め出すものとEUに警告した。これは「重大な誤りである」。トルコは何も失うものはない。「敗北する者がいるとすれば、それはEUである」と首相は語った。

ある政府広報官がメットラッハでのドイツ、フランス、ポーランドの三ヶ国首脳会議の枠外で認めたところによれば、メルケル首相は火曜日にエルドアン首相と電話会談を行なった。内容について広報官はコメントを避けた。

原題:Deutschland und Frankreich setzen Tuerkei indirekt neue Frist

*)訳注:当初メルケル首相は18ヶ月後に今後のトルコのEU加盟交渉について再検討し、決定を行なうよう提案していた。




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