2006年12月7日(木)18:29

EUはトルコのキプロス問題妥協案を拒否

ブリュッセル(AP)

トルコはキプロス問題をめぐるEUとの和解の試みに失敗した。EU議長国のフィンランドは木曜日の晩、トルコの一つの港を「一時的に」キプロス共和国の船舶に開放するというトルコ政府の申し出を拒否した。これでは「まだ十分とは言えない」とフィンランドのエルキ・トゥオミオヤ外相は述べた。キプロスにいたってはトルコの提案をEUに対する「嘲弄」であると批判した。ギリシャはトルコ政府との加盟交渉に関して、これまで話題に上っている以上の厳しい措置を求めた。

EUは数ヶ月前からトルコに対し、すべての港湾と空港をEU加盟国キプロスの船や飛行機に開放するよう要求している。しかしトルコ政府が協定の履行を拒否しているため、EUとの加盟交渉は停滞の瀬戸際にある。トルコは木曜日に申し出た妥協案でこの状況の回避を図った模様である。

しかし、フィンランドのトゥオミオヤ外相はトルコの提案を「前向きな印」と評価したものの、キプロスとギリシャは憤慨した。提案はEUを「嘲弄」するものだとキプロスのリリカス外相は述べた。ギリシャ外務省の広報官は、EUはトルコ政府に「明確なメッセージ」を送り、条約上の義務の履行を要求する必要があると求めた。8分野の加盟交渉を停止するという欧州委員会の提案はまだ甘すぎる。「私たちは8分野の停止では足りないと考える」と広報官は述べた。

EU各国外相は来週月曜日にブリュッセルで会合を開き、加盟交渉の行方について協議を行う。フィンランドのトゥオミオヤ外相はキプロスとギリシャの批判をよそに、トルコの申し出を受けて協議が「幾分穏やかな雰囲気で」行われるかもしれないとの期待を表明した。

議長国フィンランドのほか、当初ドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相もトルコのシグナルを歓迎する旨を表明した。「トルコには歩み寄りに向けた慎重な姿勢」が窺えると外相は木曜日の朝ベルリンで語った。しかしこの時点では、トルコが港湾だけでなく空港もキプロスの船舶や航空機に開放する意向であると外交筋は伝えていた。

トルコとのEU加盟交渉の行方に関する決定は、遅くとも来週末のEU首脳会議で行なわれねばならない。決定には全会一致が求められる。大使レベルの協議は(明日)金曜日から開始される予定である。

原題:Kompromissvorschlag der Tuerkei im Streit ueber Zypern abgelehnt




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