2006年12月11日(月)21:06

EUはトルコとのEU加盟交渉を制限

ブリュッセル(AP)

トルコとのEU加盟交渉は今後ただちに制限される。EU外相理事会は月曜日、トルコがキプロス問題で譲歩するまで、35の交渉分野のうち8分野の交渉停止を停止すると決定した。キプロス政府は引き換えに、トルコ系の北キプロスに対する貿易制限の解除に同意した。EU各国外相は今後毎年トルコの加盟進捗状況を検討するものの、最後通告は行なわない。

これにより、当初ドイツのアンゲラ・メルケル首相が要求していた修正条項は退けられた。私たちは今後トルコとの交渉分野拡大の決定にあたっては、「2007年から毎年EU首脳会議がトルコ国内の加盟進捗状況を確かめるという再検討メカニズムに合意した」とドイツのフランクヴァルター・シュタインマイヤー外相は閉幕の記者会見で語った。「これにより、一部から要望のあった最終期限や、また私がここ数日反対していた最後通告などがこの妥協案に盛り込まれないことが決定した。」世論の一部はこれを外相と首相の対立と捉えていた。

メルケル首相は、トルコのEU加盟を討議するEU臨時首脳会議を2009年春までに開催するよう提案していた。今回決定された毎年の検討は、欧州委員会の加盟進捗状況年次報告書に関する外相協議で実質的にはすでに行なわれている。しかし月曜日に発表された外相理事会の閉幕宣言では、トルコの対キプロス関係の改善問題もこの欧州委員会の報告書で特別に取り上げられるという。シュタインマイヤー外相は質問に答える形で、私はメルケル首相と「全加盟国が合意したこの文書に私たちも責任を持つことで合意した」と述べた。

今回のEUが決定した加盟交渉の制限は、EU加盟国キプロスの船舶や飛行機に対し、国内の港湾や空港の開放を拒否しているトルコ政府に対する措置である。しかしトルコは、EUとの関税同盟を新規EU加盟国のキプロスにも拡大することを定めた、いわゆるアンカラ議定書の履行義務を負っている。

一方トルコは開港拒否の理由として、キプロス共和国のEU加盟後にはトルコ系北キプロスの国際的孤立に終止符を打つとした約束をEU側が守っていないことを挙げている。EUが約束した北キプロスに対する財政支援や貿易規制緩和は、これまでのところキプロス共和国の反対で実現していない。

しかしキプロス共和国政府は、財政支援や北キプロスとのいわゆるEU直接貿易規定の可決をこれ以上阻止しないと約束した。「この問題について今日キプロスは政治的に明確に承諾を表明した。これが今回の問題解決の一つの鍵となった」。シュタインマイヤー外相が認めたように、キプロスによる文書の形での声明はない。しかしキプロスは来年1月に開かれる次期EU外相理事会で、北キプロスに対する緩和措置に賛成することを保証した。シュタインマイヤー外相は「これはすべての国に配慮した包括的解決案」であると評価した。

原題:EU schraenkt Beitrittsverhandlungen mit der Tuerkei ein Sechste




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